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プリキュアの国の王様
官能リレー小説 - 二次創作

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プリキュアの国の王様 63

「うわ〜い」
「ペコ〜」
ぴょんぴょんと跳び跳ねて喜ぶいちかとペコリン。他の4人も、アラモード地区では入手困難なスイーツに喜んでるようだ。
「それと、もう1つのご褒美は……あおいに代表して受けてもらおう」
そう言うと、カウンターから出てきたあおいに自分の顔を近づける王様。あおいは抵抗こそしないが、「なんで、あたし?」と呟いた。
「ここに来る前に、ミサキと会って、キスをしてきた」
「ミサキさんと!」
「それから、誰ともキスしてない。つまり、俺の唇にはミサキ成分が残っている。……どうだ、受ける気になったか」
「は、はいっ、ありがたく頂戴します!」
王様はあおいの唇に吸い付いていく。
「んっ!……んんっ……んっ……」
舌を絡ませ吸い付くと、あおいが背中に手を回してきた。激しく唇を擦り合わせ、唾液を交換する。
「んんっ、んっ……んふぅっ……」
この日、ただでさえ光栄な王様とのキスに、憧れのミサキさんとの間接キス要素が加わる、という光栄の極みなキスを、あおいは経験した。

※※
夕方になった。
「つ、疲れた……」
王様は居間に幾つか置かれたソファーのうち大きいものに寝ころがる。女に膝枕されながら。
キラパティを出て専用車に乗り、邸宅に戻った王様は夕食時までゆっくり……とはいかなかった。
帰宅早々、桃園あゆみをはじめとするメイド達に、明日の日本行きの衣装あわせをやらされたのだ。
「明日の日本行きは非公式なんだから、あそこまで厳重にしなくてもいいだろうに」
「あら?」
王様を膝枕している女……菱川六花(キュアダイヤモンド)の母親で、5日後の公式訪問に参加する医師でもある亮子が口を開く。
「明日、お会いになるのは彼の国の総理大臣ですからね。お友達同士とはいえ、一度合流するまでは確りとした身なりでないと」
「まあ、俺も背広を着こなしたアイツ……司と会うのにラフな身なりは落ち着かないけど」
「なら、いいじゃないですか」
亮子にそう言われると、何やら欠伸が出てきた。
「ふわぁ……。亮子、このまま少し眠っていいか?」
普段は「さん」付けで呼んでいるが、今は非常勤の侍医すなわち臣下としてここにいるので、亮子を呼び捨てにする王様。
「眠る王様を膝枕するなんて、光栄ですわ。ゆっくりお休みください」
呼び捨てに気分を害した様子もなく、むしろ喜んで膝枕を了解する亮子。
「ありがとう。……美幼女や美女歌手とセックスして、美少女とキスして、美人女医から膝枕してもらえるなんて、今日も幸せな午後だったな」
「急にどうしたの?」
向かいの小さいソファーに座るくるみが、声をかける。
「俺ごときには……過ぎた……ご、ご、だな……」
亮子の膝の上で、王様は寝息を立てはじめた。
「王様は、どうしたのかしら?」
「どうも、春から、ネガティブな発言が目立つのよ。毎日ってわけじゃないけど」

※※
王様は、ほとんど何もない、上下左右もわからない空間にいた。
その空間には例外的にモニターが1つだけあった。そこには、アニメ版『賢者の孫』……と良く似た物語が映されている。

4年前、メイジャーランドがある世界、ケンジャノマゴ大陸のとある地、とある館の一室にて。
「フフフフフッ……」
「オリベイラ……様……」

当時まだ存在していたブルースフィア帝国の公爵にして、次期皇帝候補の一人だった【オリベイラ・フォン・ストラディウス】は自領土において平民優遇の政策を進めていた。それは他領からの移住を招き税収は増加、それを資金とした事業の拡大、国への上納金も増えたことで貴族院の法衣貴族達からの評価も高くなり次代の皇帝として選ばれてもおかしくないまでに支持を集めていた。
その反面、同じく次期皇帝候補の一人だった【ヘラルド・フォン・リッチモンド公爵】とその一派はオリベイラを疎んじ、陰謀を企てた。
『その思想に賛同する。経営手腕を教授して欲しい』
そんな要請に当時のオリベイラは快く応じ、帝都に滞在して貴族達に指導を行っていた。身重の妻アリアを領地に残したままで。

そうしてオリベイラが空けてしまった領地でヘラルドは配下の者に若い女性を中心とした誘拐事件を起こさせ、それが領主の手によるもので平民優遇の政策はその為の餌であった、と噂を流していく。
オリベイラ自身は平民にも分け隔てなく接する、温厚な人柄で慕われている人物だったが、その父は他の貴族ほど酷くはなかったものの帝国貴族特有の貴族優遇思想に染まっていたため、貴族に対する不信感を拭いきれなかった平民達は踊らされていった。
そして、偽の憲兵による、偽の誘拐犯検挙を見せつけられたストラディウス領民達は暴動まで起こしてしまう。
第一子の出産が近づいていた妻の為に領地へと戻ったオリベイラは直面した。荒らされ火の手が上がった領主館、事切れた使用人、暴徒と化した領民達、お腹の子ごと槍で突かれて息絶えた妻の姿に……。

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