裏・音撃道 1
音撃で魔化魍と戦うための武術、音撃道は、
かつてヒビキ流、イブキ流、ザンキ流の3つの流派に分裂していたが、
未知なる力で変異したバケガニとの戦いなどを通じ流派を越えた結束を実感し、
魔化魍以外の未知なる存在と戦うためにも音撃道は一つとなったのだが・・・
ある日、鬼に変身しての組み合いの訓練の最中、
「も、元に戻って・・・」
「み、見ないで。」
そもそも音撃道を使う彼らは、
内包している鬼の力を清めの音によって増幅させる事で鬼へと姿を変えるのだが、
その際、身に着けていた衣服は弾けたりして消失するので、
気力が足りなくなったりして元に戻ると全裸になってしまうが、
「ア、アスム君、見ちゃいけない。」
トドロキという長身の男が、
訓練に参加している面々の中で最年少のアスムという少年の目を手で覆うが、
男ばかりであったザンキ流で鍛錬してきたトドロキ自身、
見慣れない女性の裸に戸惑いを隠せず、
気力で頭部だけ元に戻したままでいるのが精いっぱいであった。
訓練を打ち切って男女別で水で清める事になったのだが、
「鬼になるのが初めてだからってあんなとこで元に戻っちゃうって・・・」
「しょ、しょうがないでしょ。緊張しちゃっていたんだから。」
「男の裸ならイブキ師匠ので見慣れているでしょ。」
皆がつい愚痴などを口にしている中で、
弟子に女性の多かったイブキ流において、早くから鬼として戦ってきたアキラは、
皆の話を無視するかのように身を清めているかのようであったが、
ついまだ見てもいない、アスムやトドロキの裸を思い浮かべてしまい、
「(妙に疼いてきて・・・わ、私ったらどうしちゃったの。)」
アキラは逃げるように川から上がると急いで道着を纏ってその場を去っていった。
内なる性欲を抑えられないのは男性陣も同様で、
「あの子、なんて名前かな。」
「素っ裸晒しておいて・・・先が濡れているぞ。」
「痛っ。や、止めろ。」
するとトドロキが、
「ふざけないでさっさと上がれ。」