青山さんと白峰さん 3
「ヘイお待ち」
「わーい…っていうか、もっとムードを作ってよ」
「ムードもへったくれもないよ…澄香とあたしじゃ…」
入れたて作り立てのカフェラテ。
澄香は飲むこともせずただじっと眺めて楽しむ。
ラテアートが目当てでそうしてくれるのは嬉しいけど、冷めないうちにいただいてくんないかなぁとも思うんだな。
あたしは自分用にアイスコーヒーを作って澄香と向かい合って座る。
「お悩みかねお嬢様」
「ふへっ!?」
「昼休みのことまだ引きずってたりする?」
「いや、そういうわけじゃ」
いつもと様子がなんか違うから心配になるんだぞ。
澄香とは長い付き合いなんだからちょっとした変化ですぐにわかるんだ。
「よし、気分転換に週末遊ぶか」
「え?」
「元気のない澄香ちゃんを励ますために一肌脱いであげようとね」
「別に私、元気ないわけじゃないよ〜」
「じゃあさっき…いや、学校にいたときからなんか浮かない顔だったのはどうしてなのかな?」
「ええー、そ、それは…」
…まあ、理由は大体わかってるんだけどね。
それを忘れさせるくらい元気にさせたいのがあたし、澄香の親友としての役目だと思ってる。ちょっとお節介が過ぎるかもしんないけど。
「でも、まあ、いいや。ありがと、リカ。ちょうど暇だし遊びに行こうか」
「ん、決まりね。澄香はどこか行きたい場所ある?」
「リカに任せるよ」
「お、いいんだね?後悔するなよ〜?」
「リカだったら大丈夫だよ〜、それくらいで疑うなんて、何年友達続けてるんですかっ」
「まあね」
「えへへ」
笑えば可愛いんだから。
さあ、それはそうと、週末の予定が決まったぞ。
どこへ行くか…あたしの中では大体プランが出来上がってるのですよ。