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被験者『才女』
官能リレー小説 - 二次創作

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被験者『才女』 3

絵の中がまるで誰かの視点の一部であるかのように、動き出した。そして絵の中の視線が階段を上り始めたのだ。驚きのあまり、硬直するプルート。絵の中の風景は一歩一歩、絵の中に描かれている後姿のプルートへと近づいていく。
「・・・」
普段のセーラー戦士なら、即座に何かしらのアクションは取る。だが今の彼女の思考は未知への恐怖でいっぱいになっていた。
後ろを向きたくない、むいたら恐ろしいことが起こる気がする・・・。
絵の中の視点は、とうとう絵の中のプルートの真後ろまでやってきた。すると『手』を彼女の方へ伸ばす。
呆然とそれを見るプルート。すると『手』は絵の中のプルートの短いスカートを掴むと、そのまま上にたくし上げた。ショーツに包まれた肉付きの良い尻が剥き出しになった。
「ひゃん!」
急に尻に冷気を感じ、さっと後ろを振り返る。しかしそこには誰もいなかった。
掛かった絵を見ると、それはすでに階段の踊り場の絵に戻っている。しかもプルートの姿などどこにも無かった。
「まったくもう!」

プルートは自分の尻を見る。
「!」
自分のショーツが丸見えになっていた。しかもスカートが戻らぬよう裾が背中にテープで留められている。
まるで透明人間あたりが本当にスカートをめくったように。
「なんなのよ!?」
慌てて捲り上がったスカートを戻す。
「この変態!出てきなさい!乙女のスカートめくりは重罪ですわよ!?」
武器を構え叫ぶ。
「よろしい、貴方が出てこないならこちらから探してさしあげましょう!」
そう言って階段を上っていく。
二階に上がると、プルートは左右を見回した。人影らしきものはない。
「観ていなさい!」
進もうとしたとき、近くのトイレで物が落ちる音がした。
「ふふ、そこにいるのですね?」
微笑むと、彼女は中に入っていった。
トイレは男子用だった。少し気まずくなる。だが、自分に悪戯をしたものは懲らしめておかなくてはならない。
ふと鏡を見る。そしてプルートはうつされた自分の姿を見た。
なにか、反射がおかしい気がする。そう思ってじっと観察する。すると突然金縛りにあったかのように身動きが取れなくなった。
「!!」
必死に目だけを動かすが、見える範囲に誰かが居るようには見えなかった。
「妖魔!!」
その姿らしきものもない。今彼女の目の前には、見えない何かに拘束された自分が移っているだけだ。
ふと、太ももに何かがふれる感触を感じた。
「まさか・・・」
まるで見えない手に太ももを撫でさすられているかのようだ。よく見ると自分の腿の肉が少しうねうねと動いている。やがてそのうねりは上の方へと移動していく。
「い・・・いや・・・」

次の瞬間、短いスカートがまるで見えない手に掴まれるようにゆっくりと捲り上げられていく。そして完全に純白のショーツが剥き出しになってしまった。
「いや!!」
強い拒否を示した瞬間、不意に体に力が戻った。
「な・・なんなの?」
辺りを見回すが、やはり誰も居ない。あるいは透明人間が本当に隠れているのかもしれない。
「危険ね」
いくらセーラー戦士と言えど、姿の見えない透明人間は分が悪すぎる。彼女はその場を離れることにした。

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