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被験者『才女』
官能リレー小説 - 二次創作

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被験者『才女』 1

※Anatomy 娘と言う名の被検体と同一の世界観

冥王せつなはインテリとして名高い女性である。
彼女は無限学園大学理学部に属しており、専攻分野においては知る人ぞ知る才女だった。
それにも拘らず彼女は驕り高ぶる態度など決してとらない、おしとやかで心優しい淑女でもある。

そんな彼女にはもう一つの顔があった。それは外部太陽系セーラー戦士『セーラープルート』であると言う事だ。
ある日、ようやく実験を終え自宅への帰路に着こうとしていたときだった。
不意に男の人が彼女の前に倒れこんだ。
「り、理事長!?」
それはこの学園を総括していた土萠創一理事長だった。
「理事長!大丈夫ですか!?」
慌てて助け起こす。
「ああ、すまない、ちょっとうっかり足を滑らせてしまってね・・・」
そう言って笑いながら立ち上がる土萠理事長
「まったく、私ももう歳かな、ははは」
顔は笑っているが、その表情はどこか暗そうだ。
「それより、今度君は物質応用学会で発表するそうだね?とても素晴らしいことだ」
「ありがとうございます、理事長」
「では、私は戻るよ、気を付けて帰りたまえ」
そう言ってふらりと戻る理事長。
「何かがおかしい」
彼女は即座に察した。理事長は普通ではない(一部読者の方はもうご存知かもしれないが(笑))。
なにかに取りつかれているようだ。普通の人ならタダの気のせいとあしらわれる事であったが、彼女は違う。
勘の鋭いせつなは妖魔の匂いを嗅ぎ取っていた。


その後せつなは、夜遅くまでキャンパスに残り、理事長が出ていくのを待つことにした。
夜9時を回ろうとしていたころ、ようやく土萠理事長が理事長室のある一号館から出てきた。そのままこっそり後を追うせつな。
土萠は自分の車に乗ると学園を後にする。せつなはスマホを取り出した。彼女は物理学を専攻しているのだが、他の学科にも知人は多い。電気工学専攻の友人(男!)に頼んで、わずか2時間で発信器を作らせた。因みに彼もせつなにあこがれていたため、彼女もそれを利用する形で頼んだ。すこし申し訳ないが、後で自分が菓子折りでも持たせれば狂喜するだろう、男の子とは単純なものだ。
発信器の信号をスマホの専用アプリ(これも電気工学専攻の友人製)で確認しつつ、タクシーに乗る。
20分ほど追跡し、ようやくついたのは郊外の林だ。
「お嬢さん、本当にこんなところで良いのかい?」
タクシー運転手は心配そうに尋ねる。
「先週も同僚が小学生くらいの女の子をここで降ろしたらしいんだが、その子も大丈夫だったのかね・・・、あまりこの辺りに長居しちゃいけないよ?」
「いえ、大丈夫ですわ」
笑顔で返すせつな
「はい、お釣りはいりませんわ、娘さんにお土産でケーキ等を買ってあげてくださいな」
そう言って万券を渡す。
「本当かい!?すまないね!また利用してくれよ!それじゃ気を付けてなお嬢さん!」
タクシーはその場を後にする。
それを見送るとせつなは深呼吸した。

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