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性物災害  
官能リレー小説 - 二次創作

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性物災害   1

Tウイルスの流出によってラクーンシティは今やゾンビたちの蠢く死の街と化していた。

比較的ゾンビの少ない通りを、STARS隊員ジル・バレンタインはすり抜けていった。
「まったく、こんな服しかなかったなんて!」
失敗だった、と彼女は思っていた。今自分が身に着けている服は胸から上の無いチューブトップに短いスカートと、非常に素肌の露出が多いため感染者達の歯や爪を受けやすい状態だ。本当はもっと長袖を着ていくべきだったのだが、あいにく混乱のせいで着の身着のまま脱出を慣行せざるを得なかったのだ。
途中で服屋の看板を見つけたが、入るのはためらわれた。ここも何匹かアンデッドどもが徘徊しているため、悠長に服を調達していたら脱出路を塞がれてしまうだろう。
「要はあいつ等に近寄らなければいいだけの話だわ」

実はすでに彼女の身体にはTウイルスに対する耐性が付いていた。そのため多少のことではアンデッドになる事は無かったが、彼女自身がそれに気づいてるはずがなかった。
長時間走り続けた彼女は体力的に限界が近づいていた。このまま走り続けても、どこかで力尽きアンデッドの餌となってしまうだけだ。その前にどこか一時的に隠れる場所を探さなくてはならなかった。
「あいつらの侵入を防げそうなところは・・・」
当たりを見回すと、頑丈そうなシャッターの着いた自動車修理工場を見つけた。すくなくともこの周辺のゾンビ達の力ではビクともしないだろう、もっともそれ以上集まればどうなるかは保証できないが。幸いなことにシャッターは完全に閉まっており、窓も人の身長より高い位置にあるためゾンビがそこから入ることはできないだろう。

「ほんの一時間だけなら・・・」
ジルは都合よく倒れていた脚立を建て、修理工場の窓辺によじ登った。曇りガラスでは無かったため中を覗いてみる。中にはアンデッドは愚か人の姿は見えなかった。仮にもし潜んでいたとしても、自分で十分対処は可能だろう。ジルはガラスを割り、工場の中へと入った。念のため脚立も引き寄せ中に取り入れた。
工場の床に着地すると、拳銃を構えながらライトで辺りを照らす。どうやらアンデッドが潜んでいる気配は無い。
「これで少しは休めるわ」
そう言って一息つく。



すると、
「君は人間みたいだな。」
誰かがジルの肩に手を置いて話しかけられた。
後ろを見ると男の人で手には拳銃を持っていた。
「良かった。やっと生きてる人間に会えた。そこらじゅうゾンビだらけで逃げ回っていたんだよ。」
「ジル・バレンタインよ」
「ディック・ベンジャミンだ」
そう言って互いに握手する。
「他に仲間はいないの?」
「恋人が一緒にいた、だが生き残ったのはおれだけさ、あんたも仲間がいたのか?」
「わたしは元々ひとりよ」
「そりゃ、気楽なもんだな」
男は止めてある車にもたれかかった。
「正直、俺たちはもう助からないんじゃないのかね・・・」
そう言いながら弾倉を外し、残弾を確認する。
「中心部と違ってゾンビの数は比較的少ないわ、数が少なければゾンビくらい余裕よ、だってとろいんだもの、あいつらの恐ろしい所は『数』よ、それ以外は居ても居なくてもそう変わる物じゃないわ」
「おい、あんたまさか、徘徊してる化け物が『ゾンビだけ』だと思ってるんじゃないだろうな?」
「どういうこと?」
「彼女は・・・、アンナはゾンビにやられたんじゃないんだ!あいつは・・・あいつは・・・」
男は怒りで拳をふるわせる。

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