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METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―征服の進軍― 77

明日明後日にもB52♂撃墜ノルマ達成出来るだろう、そんな順調だからこそ警戒も満にする帰り道、早速何か見つけたグレイスがグリースガンの銃尾でカクテルのハッチを叩く。

「ねぇねぇご主人様(がこがこ)!向こうに妙な轍があるよ(がこがこがこ)?」
「そんなに(がこがこ)しなくてもインカムで話せるだろう(がこがこがこ)?」

タクスが機銃で(がこがこ)ぶったたき返してから、一同がクルマを降りて辺りを捜索する。
あれだよ〜!と首の曲がったグレイスが指さす先にあったのは、比較的新しい轍(わだち)が二台分、タイヤとキャタピラの跡が絡み合ってマナの街に向かっている。
早い話が何の事もない、クルマを牽引した形跡だが一応調査を続ける。

「キャタピラの方は戦車というより輸送車かトラクターの類…タイヤの方は結構な大型車で轍に血の跡と散弾が混じってるな?」
「こうきてこうだから…そこの瓦礫で擱座した装輪車を別の装軌車で牽引した…って所か?」

タクスとボドーの読みからして、何処か別の場所から戦線離脱したクルマが、ここで救助ないし拿捕されたと予測できた。

「大型車、散弾と血痕、う〜む?」
「兎の脳容量で無理しな…いで〜っ!」

名探偵だぞえエレナちゃん(目ぇ怖っ)が、茶化しにかかるグレイスを『ささりやすいガラス』でつついて黙らせる傍ら、タクスとサクラが落胆していた。

「クルマ一台頂けるチャンスだったかも知れないのに、ついてねぇ。」
「でも血塗れの事故車、手間かける価値あるかわかりませんしねぇ。」
「そーそー、済んだ事に労力…ぷぎっ?けべっ!」

無責任な物言いで締めるグレイスに、お前が見て見て言い出したんだろうが!とばかり、皆から『なげやすいいし』ツッコミが入り、一日で路上の乱闘三種の神器コンプ。

「でもまー、意外とトレーダー辺りが救助されたんだったりしてな?」
「だとしたら荷物散らかした様子が無いよね?」
「どっかで奪われて逃げてきたのか、それとも空荷だったのか…トレーダーをクルマごと捕まえたのならその足で町へ行く奴はいないだろうからな…さーてと。行こうぜ。」
「だな。有人車両を襲ったのなら、殺された奴の死体捨てるくらいはされるだろうし、そもそもその手の奴がそのままマナみたいな町へは行かんだろうな。」

一同がツッコミを終えた所で、くっくっと笑いながらボドーが茶化すように言った。
その言葉にエレナが即座に疑問を返す。少し落胆した様子だ。
ハンター登録する前は役に立つ物を拾える機会がそれこそ命綱のように貴重だった生活をしていた身だ。その経験が言わせたのだろう。
何か面白い予感がしたのか、タクスは楽し気に推理を行った。
ボドーもタクスの判断に同意する。
凶悪な組織でもある程度ものの見える連中はトレーダーには無暗に手を出さない。トレーダーを下手に痛めつけると自分たちの生活や活動に必要な品物も手に入らなくなることが多いからだ。
トレーダー車両を強奪してそのまま人々が住む街へ持っていくと自分が何をしたのか知れ渡っていっぺんに立場が悪くなる。
街によっては立ち入りを拒否される。
そのまま轍を追ってタクス一行はマナの街へ向かう。
もう目の前…というところまで来て、タクスのカクテルピッチャーのCユニットに新しい表示が出た。

「レーダーに反応!パターン青!」

「使徒でっ…(がこがこがこ)?」

グレイスが下らない事を言いそうだったので、タクスは機銃で引っ叩いて黙らせる。
パターン青、早い話が正規にハンターオフィスに登録した、BSコントローラ端末や車載CPU等の識別信号。
大概は警戒しつつも事なかれ無関心、こんな時代だからこそ助け合おう(ないし恩を売っておこう)という精神で友好的な姿勢を示す奴、なら問題はない。
露骨に商売敵を意識して突っ掛かってくる奴、ハンターオフィスの目溢し範囲でプレイヤーキラーならぬハンターキラーを仕掛けてくる奴だっている。
仮に悪意がなくてもちょっとした誤解からテンパった奴が、疑心暗鬼でいきなり発砲というケースだってある。

「照合してみます。」

サクラの分析だとルートは先程の轍と一致し、装甲トラクターがバスを牽引している模様。

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