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METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―征服の進軍― 76

メイドが上部銃座に続くタラップを掴み損ねて崩れ落ち、自分こそ止めもしなかったウサ耳JKが、原因の言い出しっぺであるドライバーを非難しようと詰め寄ったその直後、車体に着弾の激しい振動。
本来ドライバーが車載砲でカバーする真正面が、車内の混乱でおろそかになった隙を狙われ、元はフロントガラス部を防盾に改装した前面装甲が破砕された。
ドライバーを操縦席から吹き飛ばしながら貫通した鋭い砲弾片はウサ耳JKと後部ミニガン銃座の射手まで巻き込み、車内に色々とカラフルな生モノを撒き散らす。
絶叫の飛び交う車内でいち早く正気を取り戻した二人、ボドーも見所があると値踏みしていたラテン系が操縦席に、黒人少年が後部銃座に向かう、が。

「上から来るぞ、気を付けろ?」

という冗談めかした呼び掛けと共に、開け放たれたままだった上部銃座の開口部から、スタングレネードが投げ込まれた。
低いのによく通る声からしてポルタによるものだろう、スタン弾の影響で映像・音声は一時的に霞がかったものとなっていたが、さながらそれはこれから始まる不適切な場面への自主規制にも見えた。
開口部からショットガンらしき銃身、前後の装甲破損部からも同様に銃身が差し込まれ、上手いこと同士討ちと『撃ち漏らし』を避けるよう、ポルタが指示を出しつつ一方的な銃撃が始まる。
細かい火花が凄まじいのはバードショットの小粒散弾による無数の車内跳弾だろう、密閉空間の殺傷効率と戦利品への配慮と思われる。

元の乗員が誰も動かなくなった頃、車内カメラのバッテリー残量警告が表示された。
ポルタが子分達を集め、要る物と要らない物を分ける簡単なお仕事と、廃車同然のバスを罠から引っ張り出す作業、最低限自走可能な給油と応急修理を施す作業に振り分ける。
そして要らない物(主に死体)をバスに放り込むと、操縦系をオートドライブに切り替え、発車オーライ。

「良い旅を。」

要らない物が放り込まれた際にレンズが真っ赤に染まり、容易に想像出来る車内の凄惨な光景は全く見えなくとも、機能的なメッセージだけは淡々と表示される。
それはカメラと車載CPUとの連動設定で定時自動配信とやらが作動し、メモリー内のアドレスにデータを送信するといった内容で、つまり時系列で考えるとタクス一行(の女性陣)にメール着信があった頃には『こうなっていた』という事である。

そしてバッテリー切れを棒読みする警告音声と共に、ゆっくり動画がフェイドアウトしてゆく…。

(以上、動画データ概要。)

これはひどい、どうしてこうなった。

それは、知らないおじさんについて行ってしまったから。

「なんていうかこれ、よくある返り討ちだろ。」
「残念、うぷ主の実況は、終わってしまった。」
「はいグレイス先輩から名言いただきました。」
「てえか、死んだら死んだで仕方ないよなあ。」
「呪いの動画とか都市伝説になりそうねコレ。」

タクス達の反応は乾いた時代のドライな答えばかりであった。
さも自分達のハンター活動が英雄的と勘違いした連中の末路。
参考までに賞金の増額は、民間人とその財産に明確な被害が増えるか、賞金相応以上のハンターが何度も返り討ちにあった場合にハンターオフィス側で検討する。
このサイコ野郎ポルタも、私設警察を気取った三流以下のハンター集団を返り討ちにして晒し者ぐらいでは、さほど手配重要度も上がらないだろう。

「そんなことよりアホウドリ狩りに行こうぜ?」

生きるも死ぬも結局自分大事、飯の種はどこだ西だ東だアホウドリはどこだ、お気楽ハンター達ののどかなアフタヌーンであった…。

「やれやれAC130名乗る奴なら30o機関砲か105oライフル砲ぐらい鹵獲出来ると思ったんだがな?」
「無茶言わないで、レンタルは至近弾に機銃壊された程度でもアウトなんだから!」
「ついでに生身の心配もして欲しいがな。」

残念動画の事はさておきアホウドリ狩りで日も暮れてきた。
結構な燃料弾薬と装甲タイルに各々のスタミナも消耗、前回より多めのアホウささみと多少の機銃も回収出来て、十分モトは取れた以上無理はしたくない。

「ご主人様?クルマ傾いてない?」
「お宝積めるだけ積んだからな。」

消耗の問題だけでなく、昼前のカバガン戦の戦利品と合わせて貨物スペースが厳しくなってきたので、現在マナの街に戻る帰路についていた。

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