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METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―征服の進軍― 70

図体だけでなく装備も何かしら強化され、外観も少々変化した。
増設カメラアイによる三眼、袈裟の上に重ねた装甲タイル、気圧式重機アームでパンチ力強化。
車載機銃やATM程度は扱える火力、スモークディスチャージャー型サクランHi発射器。

定評の逃げ足は二足歩行の脚部補助だったキャタピラが大型化され、更に高速化している。

「悪い事ばかりじゃねえ、図体と武装が増した分だけ隠れ辛くなる。」

ボドーは芋バルカン焼酎お湯割りをグイグイやりながらモニターと別に、サクラのメモ書きと周辺地図を見比べる。
主な潜伏先は奴の脅威となる重戦車型のクルマが出入り困難な、廃墟や山岳地帯を転々としていた。
奴が大型化してから遭遇例が増え、ソルジャーの肉薄攻撃や重火器で非装甲部分を狙われ、ダメージや部位破損で撤退する例もあった。

「対策が解ってきただけでも良しとしますか…くぴくぴ。」
「ロボットの暴走とか進化って話は実際たまに聞くけどね。」

少し表情を明るくしたサクラは清酒ワンカップ士魂を飲み切ると、ファッションセンターしばむらの空き袋に瓶を捨てる。
グレイスが気を利かせてドラッグストア・ヤマモトアツシの袋からもう一本同じ酒をサクラに寄越す。
クラーケンさきイカとクラー剣先いか、ややこしい商品名の空パックは防水袋の代用になるので捨てずに残してある。

「吸着爆雷とパンツァファウストなら作り置きが…ぱりぽり」
「自家製は構わねえが、信管や雷管の類だけは新品使えよ。」

ボムポポの種を摘んでいたエレナが、ボドーのコップに芋バルカン焼酎のお湯割りを作る。
彼女が作る自家製爆弾の類も仲間入りしてから質は上がった。
ハンター登録のお陰で商店街に堂々と出入り出来る様になったのが大きいのだろう。
これまでエレナの武装は略奪品か、廃墟のジャンクや不発弾などの再利用、あとは流れの闇商人との取引。

以前のエレナやグレイスの様な犯罪者、明確なモンスターや賞金首相手でも取引可能なら平気で商売する連中が地下に潜っている。
故買屋より更に性悪な闇商人は時として賞金首との接触もある故、情報源ともなるので必要悪と放置されていた。
無論その闇商人にも手配がかかるか、元顧客に始末されるか、というのは珍しくもない、マッポーの時代である。

「しかしこのポルコだかポルタだか、上手に逃げたもんだな?」

タクスはサイレンスツーカ目撃地点から少し外れ、地図上ポルタのアジトである採石工場跡をさきイカでつつく。
アジトまで面倒臭い割に賞金が安いので幾らか慣れたハンターは攻めてこない。
たまに来るのは今回の様に損得勘定の出来ない新米ハンター。
保安官の前は売れないハンターだっただけに、そうした案配を理解して食える程度に略奪していれば、安泰の山賊生活だ。

「ま、知ったこっちゃないがね。」
「でもってこっちがサイレンスツーカの目撃地点ですね?」

タクスの見せた地図とメモにサクラがフムフムうなづく。
厳密には目撃地点というよりも周回航路と大まかな法則性だ。

タクス達が目をつけたのはサンダーピッチャーだけでなく、通常火器でも多少の効果が期待出来る高台であった。
仮に憶測でも当てなく砂漠をさまよった挙げ句に不意打ちの空爆は避けられる。
計算だと奴の出没は三日後、早い内に多少なり対空装備を揃えたい所だ。

参考までにサイレンスツーカの賞金増額の理由は、輸送トラック商隊が早く何とかしてくれと賞金の上乗せしたそうだ。
太らせてから食うのも作戦だが、先を越されたり物流その物が滞っても困る。

新たな賞金首、爆走特急牛も物流への被害による指名手配だ。
方角としては大体一緒だが坊主メカ錯乱は潜伏先を転々、爆走特急牛はカモフラージュの気配こそないが、現在はかなり遠くまで移動している。
サイレンスツーカの後、どちらを先に狙うかは動き次第だ。

「じゃあ明日は引き続き、アホウドリ退治ってところかな。」

そのアホウドリにも問題がひとつ、爆撃型のB52♂が最近、AC130♀という対地制圧に優れるガンシップ型と編隊を組んでいるのだ。
今週のターゲットに選ばれた事で、アホウドリなりの知恵をこらしたのだろう…。

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