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METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―征服の進軍― 69

発掘品から崩壊後レプリカ、マシン系モンスター等から技術転用した特殊武器。
各方面に異次元めいた白兵武器担当の選ばれし者共、既に違法マッスルとしか思えないレスラー…。
タクス達は混沌とした武器博覧会をくぐり抜け、番号札片手に手分けしてカウンターや端末ブースで賞金首情報をチェックする。

万単位で金額の上下するハトヤ・マッスル、公的権限の悪用と贈賄献金…詳細はアクセス不可。
どうやら戦闘とは別の意味でアンタッチブルらしいので、触れない方が良さそうだ。

今の時代、ハンターオフィス以外にも地方レベル、公的機関の立ち上げは模索されている。
そっち関連で1000Gにも満たない雑魚賞金首ストーンフィールド軍団団長ポルタ・グランデ(元保安官)の名前もあった。
彼がお尋ね者となった経緯は少々やるせない事情があった。

彼は元ハンターで引退後、ある田舎町の保安官として就任。
評判は良かったが、助手が起こした誤射事件をかばい立て。
しかし呵責に耐えきれず助手が自白、被害者家族が助手をリンチ殺人。

発狂したポルタが自暴自棄で報復し逃走、採石工場跡に潜伏。
不良ハンターや方々の山賊を集め、ストーンフィールド軍団団長を名乗る…。

「ま、知ったこっちゃないがね?」

タクスは一人ごちながら自分が受け持った調べ物を続ける。
このポルタに僅かな同情の余地こそあるが、結局彼はお人好しとメンタルの弱さで破滅したサイコパス。

そして一応は調べこそしたが賞金額と手間から考えてスルー。
マナの街からだと奴のアジトまで若干遠く、道中モンスターとの遭遇や地形を考えたら移動時間はクルマで約半日かかる計算だ。

タクスはサイレンスツーカの目撃情報を集めながら思いだし笑いしていた。
あのデブ警察とやらのクルマは四台とも実質一般車ベース。
四駆仕様のカスタムでないならば、悪路に躓くか回り道の繰り返しで半日どころじゃ済まない。
手柄を焦って無理をした上に安い賞金を安直に捉えて、今頃さぞかし難儀している事だろう。

プリントアウトは有料なので、タクスはモニターの日時と座標を片っ端からメモ書きする。
奇しくもメモ用紙サイズに切られたチラシのうち一枚は倒産した丼飯チキンの広告、チキン少年の親元。
納車待ちの間もピストルひとつで、妙な虫やら鳥やらポリタンク相手に小銭を稼いでいるのだろうか。

タクスが駆け出し時代の自分と姿を重ねながらペンを走らせている内に、十分な調べ物を終えて席を立つ。

「まさかああまでなってるとは…」

サクラしょぼん。
今夜は竹の間で飯風呂武器手入れを済ませ、何かしらつまみながら思い思いの飲み物で一杯やっている。
サクラがしょげる理由、勿論それは坊主メカ錯乱であった。
追われる事を理解した様な方角に逃げてゆく奴、それだけならよくある話。
潜伏先の特定は出来なくとも、法則や傾向は絞り込めた。
問題は賞金増額の理由。

でかくなった。

「勃起したの?」
「馬鹿かお前?」

グレイスの下らな過ぎる下ネタに、タクスは脊髄反射で彼女の座布団を奪い取る。
グレイスはひっくり返りながらも、持ち前の反射神経で、カクテル缶カラサワギXを守る。

ダストフランケン等、無機物集合体モンスターの前例はある。
坊主メカ錯乱もそうしたモンスター要素を取り込んだのではないか?というのがハンターオフィスの見解であった。

ロボットや無人車両、その他マシンがモンスター化する例。
坊主メカ錯乱の場合、基本動力は燃料と電気のハイブリット。
補助エネルギーの補給と托鉢の再現、お香の類を体内精製する為の食事機能。
それが水より安い粗製燃料や廃油、廃墟に放置された機械からの充電でバグを誘発。
汚染された食物の拾い食いで幻覚剤を精製するまでになった。

「この映像だと…約2.5mが3m少々まで成長した計算だな。」

タクスは坊主メカ錯乱と交戦しているハンター達やクルマと比較寸法を割り出す。
宿のテレビとBSコントローラを併用したいくつかの映像資料。
クルマのガンカメラによる荒い映像と発掘品の古い液晶テレビで少々見辛い。
それでも初期はチャーフィー軽戦車より少し低い、最近の映像だとKV2と大体同じ全高と推測できた。

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