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METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―征服の進軍― 67

「デイヴ警察24時!このデイヴ・オコーチと勇敢な仲間達が今夜!とうとうストーンフィールド軍団を一斉検挙…」

その暑苦しい男デイヴの男臭い鉢巻、日の丸と共に描かれたショドー『フラグ●建築士』とは、何を意味するのだろうか。

「…いやはや何とも、どうでしょうか解説のボドーさん?」
「どうでしょうってえより、どうしょうもねえ奴等だな。」

そんな具合、エレナが人耳+兎耳の聴力を無駄に駆使して外の様子を実況、解説のボドーと共に酒場に大爆笑の渦を巻き起こしていた。
古株ボドーは空気を読んで実際の見立ては口にしていなかった。
ストーンフィールド軍団のボス、元保安官ポルタ・グランデ。
タクス達が無視する程安い賞金額で考えれば、デイヴ警察を名乗る若手集団のクルマと頭数で真っ向勝負を仕掛けられれば勝てるだろう。

まず問題は対人戦闘、早い段階でクルマを手に入れた新人ハンターの第一関門である。
特に賞金首のアジト、クルマの入れない所だってあるだろう。

デイヴ警察の人間装備は主にアーマライト系の5.56mm口径アサルトライフル。
商品名グレネードSMGでセット販売される40mmランチャー付きを持った擲弾手もいる。
黒人とメキシコ少年は7.62mm口径のFAL系バトルライフル。
グレイスの様な特殊武器(属性攻撃)割り当てもバランスがいい。
服装は何かしら強化素材の布地、プロテクタ類も重ねている。

気になったのはAPC化された野バスの銃眼の数からしてほぼ全員、下車戦闘の経験があまりないのではないのか?という疑問。
AR系が汚れに弱くともAPCの恩恵がある内は汚れにくくなるし、最悪ジャムっても人数でカバー出来る。

対人戦の技量だの場数だの、だとかの問題だけではない。
若手連中の生き死によりもボドーが老婆心を抱いた理由。

雰囲気で解る、彼等には人殺しの経験がない、それだけならまだいいのだ。
それより彼等全員、これから人殺しになる事に、酔っている。

動物だか植物だか解らない、有機物だか無機物だか解らない、元人間だったかも知れない…モンスター。
これまでモンスターを殺して来て、初めての人殺しへの期待。

そんな彼等がチーム名に警察と名乗り悪の元保安官と戦う。
ボドーには寧ろ彼等が警察に追われるべき殺人鬼、お尋ね者予備軍たる未来の賞金首に見えていた。

「わかんねえな、最近の若い奴、俺もそうだったの、かな?」

ボドーの呟きにエレナは兎耳を畳んで見せながら、ぶっとびハイとボムポポ酒を頼む。

「あんなモン聞かせやがって、結構冷酷な女だなてめえ?」
「冷酷にもなります、私だって狩られる側だったんだから?」
「冷酷バニーめ!」
「バニー違いよ!」

何か解決したのか決着がついたのか、ボドーとエレナはどこか剣呑なジョークを交わし、杯を打ち鳴らした。
タクスとサクラもまた、まあいいかと飲みかけをチビチビ呑りながら、他愛のない戦車談義に切り替える。
だがグレイスはまだ暫しデヴ達を食い入る様に凝視、というかメンバーを一通り見渡し何か安心した様子になる。
でもまだ何も解決してないじゃん!と歯噛みしてから、ああそうか!と表情を弛ませサイダーを飲み干す。

「どうしたグレイス、新手の顔芸でも練習してるのか?」
「ご主人様、さっきの子みっけて謝ったら、すぐ戻るから。」

どうやらグレイスがデイヴ達を見ていたのは、彼らの中にさっき殴った奴がいないか確かめたのだとタクスは理解した。
タクスがグレイスの頭をいいこいいこすると、彼女はまた豪快にゲップするなり席を立った。
タクスがマスターに仕草で俺が払う、と示すと向こうもそれらしい目配せを返した。
そのやり取りが済む頃にはグレイス初めてのおつかいシリーズ、殴っちゃった男の子に謝りに行くよ編がスタートしていた。

おやグレイスちゃん?さっきの男の子を見なかったか、近くの人に聞いてみるみたいです。
さあ?ちゃんとお話聞けるかな…という茶番は抜きにしよう。

「すみません、ちょっといいですか?」

グレイスは猿よりも反省の意志があるらしい、以外と普通に切り出して、実況エレナ(の盗聴)実況により、店内が驚きにどよめいていた。

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