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METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―征服の進軍― 64

そうなるとエレナなら迷う事無く特大パイプ爆弾を投げ返すか、兎の夜目を利かせて闇夜に紛れ、クルマにIEDを仕掛けただろう。
残飯での飼い慣らしを許さぬ野性的な怒りではない、女性的ないし生物的な尊厳を虐げられた怒りでもない。

例えば弾が飛んでくるならそこには銃砲を含めた物資がある。
特に残飯を投げる余裕まである奴なら、そいつの手元には比較的まともな食料をはじめとした金品がある、合理的な理由。

対象に反撃する口実より襲撃する価値ある対象かどうかが重要。
エレナ貧困時代、おがくずパン一切れで股を開くような貧民街の娼婦ではない、もっと狡猾で性悪な野盗山賊の部類であった。

実際の所エレナ…びんかんバニーMS1を含む女性型モンスターや、エステくのいちといった女性型マッスル等も性的対象ないし仲間となりうる。

「ぐえっぷ。」

グレイスは興味なさそうに炭酸混じりのゲップをまき散らしていた。
一見お上品な風体でこの不躾ぶり、中身は元モンスターどころか、街中で小銭を巻き上げるギャング紛いのカルト集団に所属していた、元人間のクズ。

大破壊前に流通したフィクション作品にたとえるなら、物語が始まるなり主人公に難癖をつけて襲撃する、自重しない第一村人ポジション(世紀末仕様)。

タクスの性欲処理、いや性的調教を経てから仲間となり、社会的更正プログラム実施中といった所だ。
街で悪さを働いていた人間のクズが、金暴力セックスの程度をわきまえた人間のクズぐらいには更正した。

「ご主人様、ちょっと小便。」

人畜無害な花など咲かない時代お花を摘みになんて冗談はないにしても、人が何か飲んでる隣、露骨に小便はないだろう。

グレイスみたいな元チンピラ娘でもやはり美女、年齢的には美少女でも通る部類。
特に白人が好みの連中からそれなりに視線は集まるが、女連れグループからの反応は薄い。
女要素に困ってない、というよりも、こんな時代のそういう女を理解しているのだ。

サクラやエレナなら、荒れた時代なりの礼節を保って接すれば問題ない、眺める程度なら文句も言わない。

その辺グレイスは絡まれるというより絡む部類、そんな奴が寄り道(喧嘩)せず一人でちゃんとトイレまで(周りが)怪我せず辿り着けるだろうか。
タクスはグレイスが人並に良い子な行動を取れたら頭でも撫でてやろうと思っていた…が。

「あの不良娘、男子トイレと女子トイレの区別もつかないアホだったか?」

タクスはボケ老人を見る目で男子トイレ前で立ち止まったグレイスにガッカリする。

しばし思案してからグレイスは男子トイレに入ってゆく。
まさか…アッチ方面やらアレな感じの性的嗜好に目覚めたか、そんな心配を巡らせるタクスにエレナがフォローを入れる。

「中で誰か喧嘩してるみたいです。」

エレナは敏感なバニーだけに、人間側の耳と兎側の耳を同時に使える為、聴力が高い。
他の面子には、そういえば何か物音や話し声が聞こえるかな?ぐらい。
酒場のマスターは相変わらず無愛想に『ふん…』と唸っていたが、一応油断なくカウンター下に隠した得物をいつでも出せる身構えをしていた。

「迷える子羊達…」

というグレイスの説法が始まり約十秒。
右の頬も左の頬も元の二倍にハレルヤしたモヒカンとモヒカンとモヒカン、具体的には悪い方のモヒカンで不良ハンターが三名ピーピー泣きながらトイレから飛び出して来た。

酒場のマスターは手早くレジを叩き、店を出ていった三名のBSからハンターオフィスを通して徴収ないし手配出来る様手配した。

「迷える子羊よ…異教徒の悪意は去りました、免罪に値する…え〜と金…。」
「お願いします!弟子にして下さい!」
「迷える子羊よ…てめえが便所の床を舐めて掃除した所で1Gの価値もないのです…頭を上げなさい。」
「強く…なりたいんです…。」

今度は結構大きな声なので、グレイスと少年?の会話は常人の聞き耳程度でも聞こえてくる。
腐っても元シスターらしい、でも言葉の端々グレイスらしい。

「迷える子羊よ…お姉さんがいい事…教えてア・ゲ・ル?」
「ええ〜?何?ナンデスッて?」
「喧嘩の仕方。」
「え?」

グレイス一瞬いい奴だと思った者がいて、悪い期待を裏切らない奴と思った者もいた。

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