PiPi's World 投稿小説

METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

の最初へ
 61
 63
の最後へ

METAL・MAX―征服の進軍― 63


「出てこないときは意外に出てこないもんだな。」
遠くを見る眼で、ボドーがつぶやいた。
あのあとタクス達は近辺をうろついたが、今度は軟体キャノンやタコタンクが執拗に現れたり、サルモネラピッチャーが2度出現したりで、B52アホウドリ♂どころか他の飛行モンスターにも行き当らなかった。
おかげでカクテルピッチャーとヤークト・シャーマンの空いたスペースには「タコのイボ」「タコの足」がいくつも。
「一度戻らねえか?」
ボドーが提案する。
「そうね。」やや疲れた顔で、エレナが応じた。
「弾薬がやばいからな。その方がいいだろう。」
キューポラから頭を出したタクスも賛同した。
既に主砲弾は2両とも心もとなくなっている。
「決まりだ。一度戻るか。」
こうして、5人は一度マナの街へと戻ったのだった。
駐車スペースでクルマの簡単な点検を済ませた5人は酒場へ向かった。
「タコのイボ」「タコの足」を売りとばすためだ。
それをまずまず順当な値段で売ると、あたりを見回した。
「おっ。賞金首が増えてるな。」
「ん?爆走特急牛?」
姿かたちはゴズメズコンボイを大きくしたような感じだが、車体側面には「漢の花道」ではなく、昔の猛牛軍団のマークが描かれている。
「こっちはハイパーインフレか?」
ハトヤ・マッスルなる筋肉賞金首の賞金が45万Gにまで跳ね上がっていた。
「他はそのまま・・・じゃないな。」
坊主メカ錯乱は6000Gだったのが8000Gに、サイレンスツーカは3000Gだったのが4500Gに増額されていた。。
賞金首は時々チェックしないと、賞金額が変動していたり、誰かに倒されて「済」スタンプが押されたりするから要注意なのだ。
「まだ倒されていないようですね・・・。」
坊主メカ錯乱の手配書を見て、サクラは複雑な表情を浮かべて言った。
今も坊主メカ錯乱が略奪を続けているという事実に、心を痛めているのだ。
「このハトヤ・マッスルってのは何をやらかしてこんなに賞金が増額されたんだ?」
全員が訝しむ。
「後でハンターオフィスに聞いてみようぜ。」
「そうね。」
タクスにグレイスが答えると、ボドーは近くのカウンター席に座って、
「おう、ぶっとびハイをくれ。」
と言った。
「ふん・・・」と、手慣れた動きでぶっとびハイを出してくるマスター。
ボドーが飲みだすと他の4人も並んで座った。
「さーてと。ボムポポ酒を頼む。」
タクスの注文に、「ふん・・・」と、手早くボムポポ酒が出される。
「私は、カクガリータを。」とサクラが注文を出すが、相変わらず不愛想にマスターは、「ふん・・・」と言って手早くシェイクして出してくる。
サクラもグレイスもエレナもかなりの美人だ。
それぞれ単独でも周囲の眼をひくだけの美しさを持っている。
現にこのバーの客たちは彼女たちに欲望や羨望の視線を向けている者が多い。
余所でも事情は似たようなものだ。
それでも表情一つ変えずタクス達5人に平然と接するマスターに、タクス達は彼のプロ意識の高さを感じていた。
「私もボムポポ酒をお願い。」
エレナに対しても、「ふん・・・」とボムポポ酒を出してくる。
「私はサイダーを。」
グレイスはシスター時代の習慣・・・というより、生まれつき酒に弱いのでサイダーを飲んでいた。
「やっぱりお前たちといると視線を感じるな。」
タクスは女の子3名に向けて言いつつ、周囲の羨望の視線を感じていた。
もっとも、それはボドーも同じだ。
「1人で旅してた頃は、ああいう手合いで難儀したんじゃねえのか?」
話を振られたサクラは、やや憂鬱な顔で答えた。
「はい。自慢じゃないですけど体目当てのガラの悪い人たちには苦労しました。」
サクラもこんな時代のそんな女子、そしてガテン系女子という事もあり、並のチンピラは片手でポイ出来る程の馬力がある。
だが絡まれる事そのもの不快感は拭えないだろう。

「あー、私も経験ありますわ、おなかすいて廃墟漁ってて…。」

エレナの話は少々ずれてる気もしたが皆聞いているのかいないのか、話半分に耳を傾ける。
おなかすいてて、という辺りが妙に動物的で笑っていいのか、哀れむ所なのかが解からない。
実際そんな所漁って食える物と言えば汚染されても延びる雑草、良くてギリギリ野草と呼べる範囲の植物。
あとは廃墟になる前に放棄された非常食、下手をすれば大破壊前で賞味期限数十年越えのビンテージ物。

「固形野菜の切れっぱし投げられて『よしよしおいでおいで』ですよ!いやらしい!」

SNSでこの小説を紹介

二次創作の他のリレー小説

こちらから小説を探す