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METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―征服の進軍― 61

「数は?」
「一体だけのようだ!」
ボドーの声を聞いたタクスは言った。
「丁度いい、マツチヨキャノンの砲身精度を確認する。さーてと。」
タクスがCユニットの操作ボタンのいくつかを押すと、自動装填装置が通常弾を砲身に押し込む音がして同時に、亡霊戦車大隊のものを移植した砲塔が軟体キャノンを向けて旋回する。

同時に車外では、エレナやグレイスも武器を構えて慎重に近づこうとする。エレナは手製爆弾を、グレイスは水中銃を手にしている。

サクラはヤークト・シャーマンの前面を軟体キャノンへ向け、120mm砲を向けている。
マツチヨキャノンが動作不良だったり、砲身精度がまずかったりすれば砲弾は飛ばないか明後日の方向に飛んで行く。
タクスが外したら即座に撃つ手はずだ。
「いくぜっ・・・・・・ファイア!」
ボン!
マツチヨキャノンの砲口が閃光を発し、カクテルピッチャーの主砲としての敵への初の射弾を放ったのだ。
全員がかたずをのんで見守っている。
バシャア!!
初弾は外れた。
だが軟体キャノンの緑色の体のすぐ右側に、生えていた草を巻き込んで土砂が吹き上がる。
「外したか。」
「でも弾道は悪くないみたい。」
Cユニットには射撃解析データが表示され、タクスはそれに合わせて照準を修正しつつ装填ボタンを押す。
スコープ内の軟体キャノンが主砲を放つ。
発射炎が閃いた直後、カクテルピッチャーの前面装甲に砲弾が直撃して装甲タイルを何枚かちぎり飛ばした。
直後にスタビライザーが振動を吸収し、タクスの意に従って砲身を軟体キャノンに向ける。
自動装填された通常弾を、マツチヨキャノンが撃ち出した。
ボン!
砲身が後退し、自動排莢された薬莢がバケットに入る。
「ゲェヒャア!」
第2射はあやまたず軟体キャノンに命中!
体内で炸裂して軟体キャノンの肉体をバラバラに引き裂いた。
「よおし!!」
タクスは爆散する軟体キャノンを、Cユニットのモニターで見ながら右拳を左手に打ち付けた。
「うまくいったみたいね。」
「さすがだな。」
仲間たちの声がレシーバーから入ってくる。
「さーてと・・・「ポーポー」?」
喜ぶタクスの前でCユニットが探知音を出した。
敵出現表示がモニターに現れた。
「9時方向!パターンサイバネティック!軟体キャノン2体よ!」
サクラもヤークト・シャーマンで探知したらしくレシーバーから声が入ってきた。
「さーてと。テストの続きだ!みんなは警戒していてくれ!」
「おう!」
「わかったわ!」
「了解!」
「はい!」
タクス以外の4人はカクテルピッチャーの射撃テストと割り切って、あえて自分から飛び出さないでいてくれている。
返答を聞きながらタクスは9時方向へ車体を向け、軟体キャノンのうち1体へ照準を合わせる。
Cユニットによる全自動照準モード、半自動照準(自動照準補正)モードもあるが、今はタクスが自分で照準している。
Cユニットは安物以外は、搭載砲の弾道特性や癖を把握できるようになっている。
だがそれも、ある程度の回数射撃を行ってデータを蓄積しなくてはならない。
「喰らえ!」
タクスは主砲の射撃ボタンを押した。
ボン!
マツチヨキャノンが咆え、通常弾を叩き出す。
発砲の衝撃で車体が身震いする中で駐退機が衝撃を受け止め、砲の尾栓が開いて空薬莢がバケットに放り落とされる。
軟体キャノンの体に着弾の閃光が閃き、直後に大爆発した。
「よし、会心の一発だ!」
どうやら軟体キャノンの砲弾に誘爆したらしい。
ガイン!
同時にカクテルピッチャーの車体が別の衝撃に揺れる。
もう一体の軟体キャノンの砲弾の直撃だ。
砲塔左側面をかすめ、装甲タイルを何枚か持っていく。
「ちいっ!」
タクスはCユニットの操作パネルを操って残る軟体キャノンへ車体正面を向け、主砲の照準を始める。
周囲の仲間がカクテルピッチャーの様子を見守る中、タクスは照準を終える。
同時に自動装填装置が通常弾を再度装填した。
「これで終わりだ。」
ボン!
マツチヨキャノンの長い砲身から発射炎が閃き、通常弾を叩き出す。
バシャア!
今度は照準が甘かったか、弾道ががわずかに左にそれてしまい軟体キャノンの左後方で土を噴き上げた。
Cユニットのモニターには他の敵の位置は映っていない。軟体キャノンと、ヤークト・シャーマンの位置、他の仲間たちの位置が地形とともに表示されている。
「主砲特性データ採集解析中」の表示とともに、全自動照準機能がオミットされている旨の表示も出ていた。
「さっきは左にずれたからな・・・・・」
呟きながら再び照準を合わせるタクス。

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