METAL・MAX―征服の進軍― 57
「12ゲージ相当の手製Wバレルにフレシェット散弾とダスト・ショットのコンボだ。」
ボドーがまたビールを一口煽って区切った辺りタクスの肝が冷えた。
散弾銃と言えばバックショットかスラグか、イイトコ取りのフレシェット散弾だとか…そこらの最強論争が素人の通説。
しかし小粒(ダスト)の目潰しと、多少の貫通力を備えた散弾を組み合わせ、防具次第で順序を変え対人戦闘のツボを突く。
更にボドーがグビグビ煽って追い撃ち。
「空き缶爆弾は磁石入り成型炸薬だ。」
「装甲タイルがっつりイカれた道理か…。」
当たり所悪く、下手すりゃモンロー効果による装甲貫通ジェット噴流の恩恵を一身に受けた黒焦げタクスがDr.ミンチをキャッキャ喜ばせてた訳である。
「あぁ良く解ったよダンナ。」
「拾いモンだぜアニィ!」
大崩壊前の『センソーエイガ』に例えれば若手小隊長と鬼軍曹の絵面…軽くヘコんだタクスの顔を立てる様なおべんちゃらと共にその肩をバシバシ叩くボドー。
「あ?ご主人様っ!オトコ同士でやらしー!つーかビール寄越せっ!」
「オ…ト…コ…同ッ…士ッ…ブパッ?」
「あぁっ?サクラ先輩ッ?」
髪を拭き拭きシャワーから戻って来た女性陣。
普段通りヨゴレ全開グレイス、何故か鼻血を吹きながら倒れるサクラを介抱するエレナ。
そんな騒がしい休憩所の片隅…全裸にタオル巻で珈琲牛乳一気飲みする筋肉ソルジャー娘がパンクス風の彼氏?が説教。
二人の仲間らしい三白眼小僧が…イリット以外の乳に興味ない…と呟いた所、そのバカップルから『ローリコーン!』とからかわれる。
まぁこんな荒れた時代とは言えタクス一行の女性陣は一応オンナノコ。
短パンTシャツぐらいの恥じらいは持ち合わせていた。
とりあえずタクスはイラッと来て、グレイスの脳天をビール缶でガッコンガッコンぶっ叩いて黙らせる間、ボドーが他の二人にも分ける。
「グビィ…ぷっはぁ〜…可愛いブラジャーですねエレナたん?(胸毛ガチムチ×ヤセマッチョ主人公…いや攻逆転…ハァハァ)」
「おビール頂きます…くぃっ…ぷぅ…てゆーかサクラ先輩?どちらが心の声で建前なのか存じませんが、ユリとバラでハッキリしたら如何です?」
傍らタクスがグレイスにシャイニングウィザード、トップロープからのニーに繋いだ後『呑んでヨシ!』と許可していた。
そして床に正座でビール呑まされるグレイス。
あぁタクス兄さん歳下格下には限りなく容赦ねぇんだな…と分析しながらボドーの旦那は二本目を開ける。
軽い湯あたり(その他)で、HENなスイッチが入ってしまったらしいサクラは取り敢えず放置視姦プレイだ。
どことなし対称的にクールで大人な空気のベンチ、迷彩シャツの胸元から黒ブラを覗かせたエレナがボドーの肩に頬を預けていた。
「こういうのも、悪くないわね?」
「よせやい…故郷のヨメに叱られる。」
「奥さん?恋人?それとも脳内嫁?」
「ナイショだ。」