PiPi's World 投稿小説

METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

の最初へ
 49
 51
の最後へ

METAL・MAX―征服の進軍― 51

「ねえ、おじさん」
「お・オジ!?」
グレイスの言葉に商人が一瞬硬直した。
「あのシートの中ってなに?」
グレイスはシートを指さしながらズンズン近づくと捲ろうとした。
「ああああ!駄目だ!それは駄目だ!他のお客の商品だからアンタ等には関係ないよ!」
商人は慌ててグレイスを止めた。
「え〜?どんなのを扱ってるんですか?見せて見せて」
グレイスは能天気で好奇心旺盛な娘を装ってしきりにシートをはがそうとする。その様にはサクラは目を点にしていた。
「ひょっとして、何か御禁制の物とか〜?」
「そんな訳無いだろう。ただ、気難しい客でやたらと品物を触られるのを嫌がるんだ。ささ、離れるんだ」
「見るだけならいいじゃないですか。流通とか興味あるんです」
「そんなのは私の知ったこっちゃないですよ。いい加減にしないと出入り禁止にしますよ」
「いや〜、しかし、せっかくここまで来て改造もできないとなるとな〜」
ボドーが両手を頭の後ろで組んで伸びをしながらのんびりという。
「うむ。結局はこの店の周りをうろつくことになってしまうだろう」
タクスが気難しげにうつむき、足元の小石を靴底で転がす。
「改造・強化が出来なかったら私たち先に進めませんものね」
サクラは髪の毛をいじりながら呟いた。
「知りませんよ!そんなこと!もう、あんたら…!!」
「あ〜、これって戦車のターレット?しかも一つじゃないし!それに何これ?」
「あ〜!離れろ!離れるんだ!」
「痛い痛い痛い!髪の毛引っ張らないで!」
「あ〜あ、なんか知らないけど見ちゃった」
慌ててグレイスを引き離す商人の後ろでボドーはとぼけた口調で呟く。
「あんたら…いったい?」
「い〜え〜、僕らは一介のハンターです。“それ”が何なのかはぜ〜んぜんわからない。ね」
「そうか、だったら…」
「でも、それをBarとかで聞いたら何かわかるかもしれないな」
帰れと言おうとする商人に背後でタクスがポツリと漏らした。
「クキキキキキ…!」
真っ赤な顔の商人の歯ぎしりが辺りに響いた。
「へえ〜。こいつは面白いな。」
やや古めかしくもある、円形でなめらかに盛り上がった砲塔が2つに、それよりも後の時代の物と思える第3.5世代戦車の砲塔が1つ、彼らの前にあった。
「死神戦車の砲塔が2基にこれは・・・おそらく亡霊戦車大隊の砲塔が1つね。」
サクラが的確に砲塔の種類を言い当てると、商人は諦めたようで肩を落とした。
「さーてと、さっきの砲塔よりこっちのほうが取り付けやすそうな気がするんだが、サクラはどう思う?」
とタクスが言った。

SNSでこの小説を紹介

二次創作の他のリレー小説

こちらから小説を探す