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METAL・MAX―征服の進軍―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―征服の進軍― 15

「おっ。案外運がいいな。」
タクスが言った。
「あんなところに落ちたままになってやがる。」
グレイスが持っていた酸鉄砲が、道端に転がったままになっていた。
「よかったぁ〜」
グレイスが酸鉄砲を手にとって、喜びの声を上げた。状態を確認するが、ブービートラップはおろか悪戯さえされてないようだ。
「しかし解せねーな・・・オヤジだったら回収しそうなもんだ。ってことは、俺が去ってすぐにあのクルマが来たってことだな。」
中にいるのはオヤジと誰だろう?下手すると外で待ってないとヤバいかもしれない。
レンタルタンクは誰でも無料貸し出し、その代りモンスター撃破で得た収入を、借りている台数に応じた利率で徴収していく。
一文無しでも借りられる上に借り出した段階で燃料・弾薬は入っているので、クルマと金の無くなった奴には結構重宝している。ただし、貸し出した段階では装甲タイルを貼ってない上、どこかパーツが損傷すると自動帰還してしまうから運用には注意が必要だ。
レンタルタンクは塗装は画一的でドライバーの個性が無いしその上、借り出しの自由度が高すぎて「レンタルタンクが建物の前に停まっている」というだけでは、
どんな奴が乗ってきたのか全く見当がつかないからある意味たちが悪い。山賊にさえ貸し出されているのだ。
あのオヤジも若いころはかなり鳴らしていたから、そんじょそこらの奴にあっさりやられるとは思えないが・・・。
「静かに。」
タクスは建物の窓に死角から近づくと、中の様子をうかがう。
「・・・・・・。」
中にはオヤジが、若い女を前にしていた。女はツナギを着て、眼鏡をかけた、なかなかの美人だった。しかも胸が大きい。
「なんだあの女。メカニックか?メカニックの1人旅だとすると珍しいな。」
中の声に耳を澄ませる。
「どうしても、だめでしょうか?ここにはかなり強いクルマがあると聞いてきたのですけど・・・」
「クルマだぜ、ク・ル・マ。ほかの品物ならRPG7だろうがグロックだろうが、普通に売ってやれるが20000Gでクルマ売るわけにはいかねえよ。」
巨乳美人の優しげで憂いを含んだ綺麗な声と、オヤジの錆びた声が交互に出てくる。
「レンタルタンクと移動修理屋で20000Gも稼ぐくらいだ。もっと頑張ってみるんだな。」
どうやら取引中、それもオヤジが地下に隠していると噂のクルマを買いに来たようだ。
「売っていただけないのでしたら、せめてクルマを見せていただけませんか?」
「ふん・・・・・・。」
彼女の要望に対しても、オヤジは横を向いて拒否の意思表示をしていた。
「見せる気はねえ・・・だが、あんたのような美人さんをあんまりすげなく扱うのも後味悪ぃし俺の男がさがる・・・・」
ばさっ。
オヤジが出したのは、何枚かのWANTEDポスター。つまり賞金首の指名手配書だ。
「レンタルタンクは賞金首の賞金は持っていかねえ。こいつら倒したらもう少し考えてやれるだけの金はあつまるんじゃねえかい?」

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