METAL・MAX―新たな軌跡― 88
「教えてやる、アンタは…ツンデレだ。」
・・・
場は微妙〜…な沈黙に包まれた。
…おい…おっちゃん…アンタこの状況で何を…
苦痛にのたうつノエルはどうにか手元にマシンガンを引き寄せていたが、この会話にどーしたもんかと…。
「…貴方の戯言に付き合った…私のミスでした…。」
ジャネットとて『ツンデレ』の意味くらいは知ってるつもり…しかしなぜこの場でそんな…。
…隙ありっ!…
「だったら戯言をやめろメイドぉっ!!」
ぱらららっ!!
ノエルの叫びと.22口径の連射がジャネットを遮った。
…センサー類の集まった頭を狙えば小口径でもっ!!…
ばちぃん!ちゅいぃん!
防弾素材の皮膚や頭髪が弾け、チタンの頭蓋に衝撃が走る…。
ジャネットの電脳内に一斉アラーム標示…撤退!!
足元に転がっていた『それ』を勢い良くブレードに蹴飛ばす!
無論彼の剣技、超音波グラスは見逃さない…瞬速の居合が『それ』を捉えた…。
「おっちゃんだめっ!?」
「へ!?」
…しゅぴぃ〜ん…
ノエルの制止むなしく、コマ切れになった『それ』…ブレードの使った不発グレネード…。
ぼしゅうっ!!
煙幕が廊下に立ち込めた…。
流石にブレードも室内で榴弾を使う程バカじゃなかったが…ジャネットがノエル達を文字通り煙にまくには十分。
…しゅいいぃん…
ブースターの噴射音を残し…逃走…。
…ゲームで『にげる』アイテムとして使われる煙幕…実際には?
…逃がすか!超音波グラスなら関係(ぐにゅ)無し…なんか踏んだ?…(ブレード)
…ギャース!?…(弟)
…貴様よくも弟を(ごすっ)!…(兄者)
…ぷぎゅっ?兄者も以外とおっちょこちょいなようで(ぼごっ)…(姉者)
…兄弟喧嘩は後にしろぉ!…(ノエル)
…こんな感じ。
ドカ!ドカ!ドカ!
分厚い木のまな板に乗せられた分厚い合成レアステーキに何度もナイフを突き立てる
BAR名物得厚ステーキは硬い肉に好みの柔らかさになるまで自分でナイフを突き立てて食べるのが売りだった
ノエルはジャネットに獲物を奪われた悔しさをステーキにぶつけていた
…まぁ以外にも…あれだけブッ壊したにも関わらず、建物や警備システムの修理代は取られ無かった…ハンター組合のカバー範囲内。
それに依頼者側も、もっと酷い状況を想像してたらしい。
屋内戦に戦車で砲撃なんて輩はゴロゴロいる…ノエル達も似たような作戦は立てていたが、なるべく機銃で片付けるつもりだったし…。
まぁ詫びのつもりで、猿や雑魚モンスターの武器や武装車輌(どれも安物、旧式ばかりだったが)をなんぼか置いて行ってやった。
なにせ警備ロボに頼り切りで、警備員の武器は精々スタンガンと特殊警棒…。