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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 145

金属に銃弾が当たって放つ火花が見えた。
メイニーがそれを目標にしてガソヘッドとトレーラーの主砲・SEを発射した。
音声からそれがソックスザウルスだと確信するとブレードは改造カタナをホイルスピンで向き直り再度鉄甲弾を撃ち込むと激しいショックによるパーツが破壊される音が響いた。
「いける!」
ノエルが運転室で叫ぶとソックスザウルスは突進してきた。
油断した!と思い激しい衝撃に身を固くして備えたが衝撃はいつまで経っても来なかった。
ホバーの音が遠ざかっていく。
窓の外の砂埃が薄くなっていく。
「あ〜!逃げたぞ!!」メイニーが復活したセンサーで判断を下す。
「追え!!」すかさずノエルが号令を下すとソックスザウルスの後を機関銃を撃ちながら追った。
「おい、メイニー。この先って」
ブレードが気にした先にはノエルたちが出発した町があった。
ソックスザウルスの接近に警備隊が警報のサイレンを響かせる。
あちこちに設置された火線が集中してソックスザウルスに浴びせられるがソックスザウルスは猛然と町に突入してそのまま町を縦断して行った。
町の砲火に巻き込まれないように手前の丘で停止したノエルたちは呆然と立てに引き裂かれた町を見下ろしていた。
「ねえ、これって…」
「偶然よ。別に町の火線をあてに追い込んだわけじゃないもの。私達のせいじゃないわ」
メイニーの疑問にノエルはそう言い切った。
ちなみに町の被害は建物の損壊は大きかったものの人的被害は大したことなかった。
ソックスザウルスの通り道にあって破壊されたハンターオフィスの牢屋に飲酒乱射の罪で拘留されていたハンターが巻き込まれて行方不明になったのを除いて…。
結局ノエル一行の賞金首追撃と街の被害こそあくまでも事故として、結論は無罪放免で済まされたのだが…。

ハンターオフィスの受付嬢(当然サイボーグ)からこんこんと事務的かつハンター資格を持つ者の義務として小言を喰らったのは言うまでもない。

そして結局の所、地味に明確な赤字である。

以前に説明した通り燃料は(品質を問わなきゃ)タダ同然、タマ代もモノによっては満タンサービスやオフィスを通して幾らか安くは出来る。

とは言え、ハンター一行が獲物らしい獲物もなくボウズで宿に戻る、金銭的に大した被害こそなくとも明らかな損失、いやそれよりも不名誉な帰還であった。

口さがない他のハンター一行が絡んで来るなりノエルが金的蹴りを喰らわせブレイドの峰打ち。

そしてメイニーの『カリラ』と名付けられた玩具のストライクガンが彼らを叩きのめし、ヤケ酒モードに拍車がかかったその時。

「なぁにしけたツラしてやがんでぇ〜?」

幾らかの慰め、豪快オヤジ『軍曹』をはじめ以前のドンパチで知り合った連中が気前良く三人に二杯目を奢る。

「どうした…お前ら…機嫌…悪そう…。」

腰簑姿に戦斧を担いだ筋肉ソルジャーが片言の共通語で問い掛けながらノエル達を覗き込む。

相方のスナイパー姉ちゃんがその首に抱きつき『よしなさいよぅ〜』とたしなめ『ん…わかった…』という会話の雰囲気からして何となし、以前会った時より男女の関係が深まっているようだ。

「リア充爆発しろ。」

既に涙目なノエル。

他にもサプ付ウッズマンを提げた(旧世紀の)警官風ソルジャー、青鬼赤鬼と呼ばれていた青赤の消防服コンビのハンター、頭部パーツを応急修理したアンドロイド…通称『事務頭』の姿もある。

ゼン教団との戦いで見知った顔、黒騎士とナターシャの夫婦はまた別件で遠出しているそうだ。

隅の席では半ばニート状態と化したツェットが薄目のバリバリソーダをチビチビあおっていた。

彼は時々こうして宿からバーに降りては自分の稼ぎで飲み食いしているが、鬱々とした表情は本気で実家帰りを考えているのだろうか。

先程ノエル達をからかっていたハンター達と同類の連中にしばし絡まれてはいたが、十代前半の少年とは思えぬ異様な雰囲気に彼等は気圧され退散する。

事実ノエル達も扱いに困り触れるに触れられない現状を軍曹達もその辺は悟っていた…が。


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