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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 59

兄貴のトカレフの撃鉄が起きる…男は言葉通り『ゆっくりと』腰のモノに手をかけた…サムライサーベル…古代戦士の伝統的な剣…。
一流のソルジャーの手にかかれば、砲弾をも斬り飛ばし…複合装甲さえも両断するという…。

「くたばれハッタリ野郎!!」
兄貴の怒号と共に…銃声…銃声…また銃声…。
しかし男が倒れる気配どころか、流れ弾の着弾さえ起こらない。

何時、鯉口を切ったのか高々と掲げられた抜き身…そして宙に舞う無数の煌めき…。
刃が鞘に納まれば…身塵に刻まれた銃弾がパッと弾けて地に落ちる…。


チンピラ共が…ガレージに屯していた冒険者が…道行く人々が男の剣技の鮮やかさに沈黙した…。

「さぁ、おアニィさん…次はどうする?」
歩を進める男にたじろぐチンピラ共…。
蒼白でキョトキョト辺りを見回していた兄貴分の表情がパッと明るくなった。
「せ…先生っ!」
「…ど〜したサブぅ…。」
…ずし〜んずし〜ん…
身の丈2mを軽く越える岩の如き大男、裏街道の用心棒か。
「先生たのんますっ!」

只でさえ頑強そうな体を所々サイバー化したソルジャー…小脇に抱えた対物ライフルがカービン銃に見える程の巨躯だ。

一見鈍重だが慣れた手付きで対物ライフル…バーレットM90のボルトを操作する用心棒。

流石に.50口径だと流れ弾も洒落にならないのでツェットはガソヘッドからシュルツェンを一枚外し、盾がわりにする。
そしてもしもの時に備え、こっそりブローニングのスライドを操作…初弾を装填した。

「…少年…助太刀無用だ…。」
気配を察した男の余裕ぶり…ツェットは誰かに似た雰囲気を感じた…。

…凄い…張り詰めた感じが全く無い…これが達人(劇画調)…

「随分、余裕じゃねぇかよぉ…しくじればミンチだぜぇ…?」

「せめて…もう少し気の利いた台詞は吐けないモンか…?」
男はカメラ目線45゜に構えた。

…命のやりとりの最中に?そんな!(劇画調)…

「夜空に輝く星の影…ワルの…。」

「うるせーっ!!」
ずどーん!ずどーん!
大口径のマズルブラストが派手に砂塵を巻き上げた。
男の芝居がかった口上を掻き消すような銃声…いや爆音が五発、自動銃並の速度で続いた…。

…ひゅるるる…
…砂煙が晴れた後…男の姿はない…。
「はァ〜っはっはっはっ!粉々にしちまったかぁ!?」
下卑た笑いを上げる用心棒…しかし…。

肉片や血痕のひとつも見当たらないのはどういう事だ…!?
…あるのは斬られた.50口径弾か…無数の金属片…。

謎は直ぐに解けた…上空からいささか早口で口上の続き…。
「…中略…お呼びと有らば即参上ぉ!」
頭上…日輪を背負った黒い影に驚愕する用心棒…。
「何ィ!?」

しゅぴーん!…一刀両断…

「また…つまらねぇモンを斬っ…。」
「…斬れてないぞぉ…?」

もそもそと巨体をまさぐる用心棒…何処も怪我やら武器破壊やら服が破れてまいっちんぐな気配もない…。

「ん…そういえばヤケに刀が軽く…。」


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