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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 58

ツェットは残って整備。
梅部屋オンリーな安宿とは言え、腐っても冒険者相手…クルマや武器を整備する設備ぐらいはタダ。

流石に修理キットは自腹だが、野外(砂漠)や路上での整備に比べれば雲泥の差である。

下手な修理屋や改造屋より安上がりで、メカ修行にもうってつけ…。
「ツェット氏〜17mmのボルト余ってない?」
「あい。」
…何よりメカオタ同士の交流も楽しいのだ…代わりに同じ数だけ9mmの『リロード弾(撃ちガラ再利用の銃弾)』を頂けた。

…肝心の整備状況…
ノエルの高機動車は小一時間で済んだ。
ガソヘッドは損傷が激しかったが…昼過ぎにどうにか片付いた。

比較的無傷で手に入ったEZ8の75mm長砲身一門とジープの13mm機銃が二挺…これの搭載作業…他は戦闘で(主にメイドに)ブッ壊されてしまった。

ノエルの帰りを待ちながら側面の増加装甲…シュルツェンの製作にかかる。
戦車の重量バランスは問題ない…何よりスクラップ流用なので材料費にも余裕があった…。

「…休憩…。」
オタ仲間達…ツェットとどっこいの駆け出しメカやハンター、ソルジャー(専門メカの居ないパーティらしい)連中と雑談…。

情報交換や互いの拙い武勇伝に始まり…やっぱトドメは戦車談義…

…ぱんぱんぱんっ!ぱんぱん…
「!」
突然の銃声…一同に緊張が走る。

「…やれやれだぜ…。」
…陽炎の様に現れた男は…砂塵にまみれた黒髪を掻き上げ、赤銅色に日焼けした頬を歪めながら…低く…重く…そして退屈そうに呟いた…。

足元に舞っていた着弾の砂煙が一陣の旋風に掻き消されると、男に追いすがるかの様に如何にもチンピラでござい、な連中が現れた。
ベルナルド一味とは別口か、砂漠の街に不似合いな派手なスーツの連中…。

見たところ風俗街の客引きの類か?

先頭にいた青瓢箪な不良少年達が毒づきながらサタスペ…安物銃の総称…のシリンダーを開き、あたふたと.22口径を詰め直している。

「この下手糞共!どこ狙ってやがる…えぇい!どけぇ!」
下っ端を押し退け傷顔の兄貴分がヤクザの必殺ウェポン…トカレフ拳銃を二挺構える。

「ちぃっと痛ぇ目見て貰うぜ!!お望みの所へブチ込んでやらぁ!?」
どんな恨みか知らないが…コメカミを引きつらせ、ストーブみたいにカンカンな兄貴…。
男はチョット待った!と掌をかざす。
「命乞いか?」

「生憎オレは目が見えねぇ…お陰様でその『痛ぇ目』とやらもお目にかかれねぇんだが…どうしたもんかな…?」
と、盲目を示すサングラスをもてあそぶ。
ぷしゅ〜!!
お湯が沸騰してヤカンのフタがカタカタしてそうな勢い…男のふざけた態度に大激怒な兄貴。

…ツェットを含めた見物人…ある者は助太刀しようと身を構え…ある者は手頃な弾避けに身を隠す等々…。
しかし皆…かすかな疑問とおぼろげな答えを共有…していた…。

『あの男は何かする』

「ギャラリーも多い事だ…『今度は少しゆっくり』やって見せようか…。」

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