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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 53

彼女のデータ…生まれてから全ての記憶が失われてしまう。
ツェットの尊重する彼女の人格そのものを否定してしまう事になるのだ…。

「わかった…?これ以上あのメイドに入れ込むってことは…キミにとっても彼女にとっても悲しい結末しかないの。」
ノエルは煙草を揉み消しツェットを優しく抱き締めた。
「アイツが憎くて言ってるんじゃないのよ。」
ツェットもまた…ノエルの背中に腕を回す。
「わかってるけど…僕…どうしていいのか…。」

泣き崩れるツェットの耳元で、ノエルは囁く。
「して…いいよ。」
「え…?」


ノエルの顔がツェットの前に来る
その顔は優しく微笑んでいるがどこか寂しさを浮かべていた
ドクン!
ツェットの心臓が電気ショックを受けたように高鳴る
口の中はカラカラになり視線はノエルの唇に釘付けになる
生唾を二度三度飲み込む
唇の奥の唾液を意識してしまう
(抱き締めたい・吸い付きたい・弄りたい・ジャネットとどう違うのか確かめたい…)
ツェットの唇の先が尖りノエルの唇に近付く
ガブ!
「!!?」
突然ノエルに鼻を噛みつかれ、悲鳴を殺して床を転げた
「ノエルさん何を!?」
「時間かけすぎ。待ちくたびれちゃった」
ファッと欠伸をするとシャワーを浴びて寝ると言い、ノエルはツェットを残し部屋を出ていった
呆然とするツェット
かつてガンマンに助けられた後、ノエルに好き勝手言われた時の憤りが甦る
「何だよ!何だよ!何だよ!勝手なことばっかり!?」

ノエルはノエルで怒っていた
「こんな時に別の女のことを考えるなんて…!」
女の直感がツェットがジャネットのことを考えているのを鋭く気付かせた
溜め息をつくとシャワーの栓を捻る
安い部屋だけあり、水の栓しか無かった

怒り冷めやらぬツェットの耳に水面になにかが落ちる音が聞こえた
シャワー室の扉を開け見ると、ノエルが冷水を被りながらカビだらけの床に崩れ落ちていた
「ノエルさん!?」
ツェットは水を被りながらノエルを引きずり出す
ノエルの体は冷え切っている
「ノエルさん!?ノエルさん!!」
ツェットはノエルの体を毛布にくるみ、その上が擦るがノエルは返事をしなかった
ツェットは服を脱ぎ、一緒に毛布にくるまるとノエルを抱き締めた
「しっかりしてくださいノエルさん!」
「しっかりしてるわよ…」
抱きしめるツェットの腕の中でノエルが応える
「ツェット君…」
「はい!?」
「声、大きい。耳元で怒鳴らないで」
「な?!僕はあなたのことを心配して…!」
「静かにしてってば…」「!…」
ツェットは口から溢れそうな不満を飲み込む
ツェットが抱き締めるノエルの体から熱を奪われるのを感じてた
(冷めた体を抱いて暖めるって結構辛い…!)
グングンと冷える自分の体。自分で熱を出そうとノエルの体をいっそう強く抱きしめた

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