METAL・MAX―新たな軌跡― 47
戦車その物をつっかえ棒にして扉をあかない様にした
ツェットはモンスターの暴走からようやく逃げ切った
室内を見渡す
天井からぶら下がるチェーンやフック。中にはアームもある
「何の工場だろう?」
銃の残弾と、動作を確認し、スライドレバーを引いて薬室に弾丸を送り込む
今来た道は使いたくない。ほかのルートを探すためにも戦車から降り広大な室内を歩き出す
部屋があるので中に入る。どうやら会議室のようだ
プロジェクタがあるが反応しない
机の上にはコピーされた資料が散らばってる
内容は新型戦車らしい
メカニックの血が騒ぐ。できる限りきれいな資料をかき集めた
本来の目的を忘れ他にはないかと別の部屋も片っ端から調べた
自分の知らない技術やアイデア、どこで使うかわからないカードキーや試作品に詰める予定だったのだろう砲弾等を見つけた
ノエルの現状をメールで知らせる
返事がすぐに返ってこないのは電波が届かないか戦闘中か
扉の向こうは静かになったが、つっかえ棒代わりにしているガソヘッドを動かす気にはなれなかった
補充は台車を使ってチマチマ行った
「錆びてなきゃいいんだけど」
その他車体とアームの応急修理を済ませ、集めた資料やアイテムを大事にしまいこむと再び捜索を始めた
それなりの収穫はあった。
研究者の私物らしい。
残念ながら高値で売れる大崩壊前の物はなかったが各種書物。
「こ…これは!」
医学書…年代別の女性器のリアルなイラストページで釘付けになる…。
「・・・。」
…ふとジャネットとの交わりを思い出し下半身が熱くなる。
皮の突っ張る窮屈さではなく…剥けたばかりの先っぽが下着に擦れるこそばゆさ…妙な自信を感じた…が。
「い…いけない!ノエルさんと合流しないと!」
我に返るツェット。
…あの女は…ノエルさんを酷い目に遭わせた奴の片割れじゃないか…
時間をツェットがパニックを起こす少し前に戻し、一方ノエルは地下への入り口を見つけた
そこは地下シェルターの入り口だった
荒涼とした地で砂に埋もれずに入り口を残しているのは誰かが手入れをしているのだろう
いかにも重厚そうな扉がその口を閉ざしている
その脇に人用の出入り口がある
(スイッチはこの奥か)
高機を飛び降りると扉を開ける
中には中年太りの男がベットの上で大イビキをかいていた
「むにゃ、誰だぃ?」
男はノエルの気配を感じ、勝手に起きた