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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 40

いくら対空射撃モードに切り替えても地上の敵を想定して着けられた機銃
真上に飛ばれると仰角が取れず、あさっての方向にばら撒かれた曳光弾が虚しく飛んでは消えて行く
滴る血にレバーを取られかけながらも、不屈な闘志で応戦するツェット
「当たれ!当たれ!当たれよォ!」
跳躍から自由落下してくる所を狙うが、推進剤を使い空中で体を捻りまたは軌道を変えて避ける
ガソヘッドは一方的に装甲を削られていく
ノエルは援護射撃をしようとしても、メイドはツェットを盾に回り込むので下手に撃てないでいた
「ツェット!D3に後進!」
(!)
ノエルの言葉にツェットはガソヘッドをバック走行させる
機銃で射撃は続いているが、メイドの追撃はゆるまない
キャタピラが岩やスクラップを踏むとお尻が跳ね上がり地面を撃つ
メイドがライフルの銃口を向け、一気に間合いを詰めるべく加速する
その時、追い詰めていたガソヘッドの姿が消えた
異常を察知し、推進剤ブレーキを噴射
殺しきれない勢いで進む足下にガソヘッドの砲口が待ち構えていた
D3
戦車が入るには狭い鋭角の深い穴だが、砲頭が無い突撃三号ならスッポリ収まる
あのスピードでこの穴に入るのは、勢いをつけて落ちるに等しい
そのため戦車の後方はひしゃげて、大きく抉られたフロントから全体の弾痕がひびで繋がった
メイドは推進剤を逆噴射と同時に防御態勢を徒労とする
ガソヘッドの主砲、副砲が炎を吐き出す
副砲は当たらなかったが通常弾の主砲がメイドの十字に組んだ腕をかすめ爆発し、突進してきた方に吹き飛ばす
ツェットはガソヘッドのギアを前進に入れアクセルを踏み込む
通常の突三なら単独での脱出は不可能だがガソヘッドのオリジナルアームで苦もなく穴から這い出す
その先ではメイドが起きあがろうとしていた
弾に貫かれ、手足を吹き飛ばされてもすぐに立ち直れるのがアンドロイドの特徴だが脆いところもある
爆圧と地面に叩きつけられた衝撃で思考回路にノイズが入った
人間で言うところの“強かに頭を打った”だ
ノイズでエラーが入り復帰の為に待機モードが彼女を立ち上がらせていた「うぁ〜あ!」
ツェットはベタ踏みアクセルで突っ込み、アームでメイドを掴み上げるがアクセルを離すのを忘れ突進する
メイドの思考回路が復帰し状況を確認。アームを自分を締め上げるアームを押し返そうとする
ぎぎ…びきっびきっ…コクピットの中まで破砕音が伝わって来る…アームの中でもがくメイドの姿にツェットは罪の意識を感じながらも機銃の照準を…。

…僕は…何を?…

ぴぴーっ!!

「ええっ!?アーム…油圧異常!?」

異常を伝える警告音、整備不良でもダメージによるモノでもない…。
メイドが顔色(あるかどうか不明だが)ひとつ変えずアームをこじ開けている…破砕音はアームのそれだったのだ。
…めき…ばしゃっ!

アームの基部から血しぶきのごとくオイルが飛び散り沈黙…拘束の解けたメイドが主砲に跨がる…。

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