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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 38

…かさかさ…
吹き荒ぶ砂塵の中……男達の挽歌に幕を下ろすべく…二頭の…鋼の牙を持った狼が対峙する。

…その後で〜ふ・で・下・ろ・し…戦車ドーテー卒業記念!ご褒美はア・タ・シ…なんてねっ!?…

…あとデリカシーの欠片もないサカッたメス犬一匹…。

「…ツェット君…大丈夫!貴方なら出来てよ?」
ノエルは既に軽く下着を湿らせながら、平常心(ふっふっは〜)でツェットを励ます。
「……。」
しかしツェットにノエルの声など聞こえていない…。
聞こえるのは…吹き荒れる砂嵐…ぴゅるるる…いや…この音は!?
…ぼうっ…
突如、エレーナのエンジンブロックから火の手が上がった…。
断末魔の砲撃がガソヘッドをかすめ、後方の瓦礫を打ち砕く…。

「え…?!」
勝負に心酔しきっていたツェットも我に返る。
エレーナ…炎上、そして爆発…。

「目標破壊、任務完了。」
右手に硝煙なびくロケットランチャー…左手に対戦車ライフルを抱えたメイドが、横転したジープの陰から姿を表した。

王道破りの暴挙にノエルが憤慨する…。
「ちょっとアンタっ!どーいうつもりよっ!」
「イイの、仕事だから。」
…ベルナルドの差し金だろう。
…新人ハンターの獲物横取り…小銭稼ぎを兼ねたイヤガラセだ…。
右腕とおいなり治療中で彼本人出て来れない…そして生身の子分より、アンドロイドの方が有利と判断したのだ。

「私の任務はあなた達の仕事の妨害…命まで取るつもりはありません。」

ブチ切れかけた頭の片隅でわずかな冷静さがノエルを引き留める…。

過去トレーダー稼業で商品として仕入れたアンドロイドが武器を持って暴走した事があった。
このメイドより旧型…マリリンシリーズ05、雑用兼H用…それでもフル装備の戦闘要員10人がかりでやっとこさ…。
しかも今回の相手は汎用06型とは言え、十分な火力と機動力…。
アレだけの戦い振りからして、多少のチューンアップはしてあるだろう。

こちらの現状はどうか?
ノエルもツェットも残弾が少ない。
機銃と榴弾に余裕があったとして…弾幕にモノを言わせて五分か…。

「そ…そこまで言うなら今日の所は見逃してあげよっかな…?」

肉薄すれば軽戦車の装甲ハッチ位こじ開け…中身をとても嫌ぁ〜な事にしてくれる。
ノエルも十全整わぬ状態で、そんな相手とドンパチやるほどの馬鹿ではない…が…。

「…ふざけるな…。」
ツェットがうめく様に呟く…ノエルは冷や汗モノだ…戦わずに済まされる相手を、彼は一時の蛮勇で刺激しているに過ぎない。

「一騎討ちの邪魔が…不満だったかしら…?」
「そんな事を言ってるんじゃないっ!僕に対する屈辱以上に…貴女は…エレーナのプライドを汚した!!」

…ツェットくん…
徹甲弾の一撃も喰らわせて、強制牽引してでもツェットを連れ帰る気でいたノエル…。
主砲の照準はガソヘッドのキャタピラに合わせたまま、だが…ふっとトリガーから指を離す。

…メカに対する愛情…なんて陳腐なモンじゃないね…

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