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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 29

「…。抜いたら撃たれて当然だ。抜いたからには撃て」
「…」
返事の無いツェット
彼は撃つ事で相手が傷付くことが怖かったのをノエルは見抜いた
力無く蹲るツェットの指先にフレームのひしゃげたリベットガンが触れた。
「あ…。」

蹴られた時か、それとも踏まれたか…その残骸は心の折れた自身のごとき屍…牙を突き立てる事なく一生を終える負け犬…。
ぽつぽつと涙が濡らす。

拾い上げようとするツェットの体が浮き上がる。
ガンマンが彼の後ろ襟を掴んでいた。

「え…?」
…からん…
ガンマンの怒声、蹴り飛ばされるリベットガン。
「そんな役立たずのガラクタよりっ…ノエルの指を心配してやれっ!!」

我を取り戻したツェットはノエルの肩を支える。
しかし…ぱしぃん…乾いた音を響かせて、ノエルはその手を払い除けた。

「ノエル…さん…?」
冷めた表情のノエル…ツェットは当然かもしれない、と感じながらも釈然としないモノを感じていた。

「ぶっちゃけね…君を仲間にして、どうにか連れ出そうって考えてた…自前で戦車こさえる甲斐性がある位だからイケる子だと思ってたよ…でもね?」

「あ…え?」
ツェットは言葉が見付からなかった。
「アタシは覚悟のない子を養ってく余裕はないの。」

ノエルはツェットが助けに入れなかった事自体を責めているのではなかった。
どれだけ腕っ節が弱くとも、直接戦闘に不向きなメカニックでも…『やる時はやる』だけの覚悟があれば文句はない。

…しかし…そうでないのならば相棒には…足手纏いでしかない。
賞金首を仕留めるチャンスを逃し、仲間さえも危険にさらす…。
そしてノエルは仮の着衣…片手で器用に、裂けたマントを巻きスカート風に巻くと、ガンベルトを締めて固定した。
まだ何か言おうと、口をモゴモゴさせていたツェットをひと睨み…アンタの助けは要らないとばかりに一別、踵を反し裏路地を後にする…。

「フラれちまったな…?」
「なんだよ…仲間にするとかしないとか…勝手に自己完結して…。」
うつ向くツェットの足元、本日の戦利品…BSコントローラー…。

それを拾い上げるガンマン。
データ更新やら何やらで古株ハンターが捨てていった物か…。
「ふん…こんな古いものっ!」

放り投げようとする腕にツェットがすがり付く…。

「止めろぉっ!」
ガンマンの節くれ立った逞しい腕…鉄骨、と言うよりは鋼線を寄り合わせた様な強さ…。
軽くひと振りでツェットは払い除けられた。
地面に背中から叩き付けられ息が詰まる。
「か…かえせ…。」

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