METAL・MAX―新たな軌跡― 26
怨ミハラサデな野郎共五匹…+無愛想メイド相手でもノエルの口は減らない。
「五人がかりで勝てなきゃ『お人形』まで持ち出して?心底ヘナ〇ンのカマ野郎…。」
「折れ、指だ。」
ベルナルドが簡潔に命じた。
「・・・。」
メイドはノエルの44マグナムを暴発させぬよう撃鉄をガードしながら…器用に半回転させた。
「は…ぅ?」
めり…べき、人差指第二関節がトリガーガードの中で外向きL字に曲がった。
「お嬢ちゃぁん?ぴすとるで遊ぶと危ないでちよ〜?」
激痛にあえぐノエルを赤ちゃん言葉で罵るベルナルド。
骨折による寒気と油汗に蝕まれながらもノエルの口は減らない。
「はん…これだから学の足りない不良ハンターさんは…語源を突き詰めればリボルバーはピストルって呼ばない…。」
ベルナルドは子供でも諭す様な表情でうなづく。
「おりこうさんでしゅね〜…もう半回転。」
メイドが更に銃を捻る。ぶちぶちっ…今度は水分を含んだ破砕音…解放骨折。白いのは骨か…神経、血管、関節被膜の延びきった破断面。
獲物を仕留める筈のマグナムは、血染めの拷問具と化していた。
メイドはただ黙々とご主人様の命じた『雑用』をこなす。
表通りから路地裏を通り抜けた裏通り
日陰に覆われているが、広い通りで人の往来はそこそこあるが、誰もノエル達に関わろうとしない
捻れ折れた指なら戒めから抜けられると思いついた時には破断面が腫れ上がり、再び動けなくなっていた
「一つ言っておくわ」
「あん?」
「銃を弄ぶとツキが落ちるわよ」
間をおいて爆笑する男達
ずん!
(!)
ノエルの股間にベルナルドの爪先蹴りがめり込む
男と違い、垂れ下がる急所は無いが、貫く衝撃が下腹部内の急所を突き上げれる
「…ぎぃ・ぐ!」
悲鳴をかみ殺すが、呻き声までは止められなかった
「いつまでも嘗めてんじゃねぇぞ…。オラ!」
二発目の蹴りが入る
「があ…!」
今度は微妙に前の尿道に入る
栓をこじ開けられ、漏れ出す尿がノエルのズボンを黒く染めた
再びゲラゲラと笑う男達
「蹴られて漏らしたのか?良くていっちまったか!?」
「本当…程度…低すぎ…」
ベルナルドの足が後ろに上がり三発目を繰り出そうとした
「ヤメロ!!」
その後ろから声がした
ベルナルド越しにスクラップを抱えたツェットが見えた
「あ〜ん?なんだこの坊やは?」
ベルナルドがチンピラ歩きでツェットに近づく
ツェットはスクラップを落とすとあわてて武器を抜こうとする
ブーメランスパナとリベットガン改
どちらを抜くか迷い、ようやくリベットガンを抜いた時にはベルナルドが目の前にいた