METAL・MAX―新たな軌跡― 18
「誰がほめた!?」
「ガンマンが俺のレクチャーいらないって」
(皮肉だ皮肉)
「皮肉でもうれしい」
酔いに半分トロントした微笑にガンマンは一瞬ドキリとした
「まあ、いい。レクチャーは終わりだ
これ以上教えようがないから俺は帰る」
「一緒に泊まって行かないの」
「これ以上ゲロ臭い部屋は御免だ」
身支度を整えドアに近づく
「ガンマン。ありがとう。また会ったら…」言葉が思いつかない
「今度はゲロなしで最後まで楽しもう」
ニッと笑うガンマンにニッと笑い返した
酒場の一階でガンマンが出て行くのを見つめる男達が居た
ノエルにタマを蹴られた男達だ
ガンマンが相手した女は腰が抜けて動けなくなるのを知ってる
それを狙って男達は腰が抜けたノエルに趣味をかねた復習を狙っていた
男達は二階に上がる
最初に踏み潰された男がドアに張り付き中を伺う
物音がしない
「へへへ、腰が抜けて動けねんだぜ」
そっとドアノブに手をかけると
スゴォン!
ドアを貫通して股下をマグナム弾が通り過ぎる
衝撃はがタマを蹴り上げていった
白目を剥き泡を吹いて倒れる男を仲間が引き摺って階段を降り外に飛び出す
何が腰が…起きてるじゃ…等と逃げながら罵り合っていた
「追い詰めるって難しいな」
部屋の中ではノエルが練習していて、ギリギリに失敗して暴発させた。男達にはこれっぽっちも気付かなかった。
「明日練習しよ」
そしてそのまま44マグナムを手にしたまま眠りに落ちた
…そして翌朝…
夢の中でもイメトレしていたのがいけなかったらしい。
ヤケに涼しいな〜…と目を覚ましたところ、窓やら壁やらに風穴が五つほど追加されていた。
「…ふん…(怒)。」
「すんまっせぇ〜ん!イヤもうホント!すんまっせぇん!!」
…防弾カツラに44口径を食い込ませ(流れダマ喰らったらしい)、こめかみに血管浮かせたバーの親爺に、ただただ平謝りするしかないノエルであった…。
…がうーん…ずぎゅーん…ばぐーん…
町外れのスクラップ置き場に44マグナムの銃声が響き渡る…。
ガンマンに言われたことを思い出しながら一発一発丁寧に引き金を引く
拳銃を両手で支えて引き金をを搾るように追いつめる
しかし追いつめ過ぎて落としてしまう
弾痕は集まっているがくっつているのは12発中三発だった
「はぁ…」
的を見ていた双眼鏡を下ろすとため息をついた
ききぃ…ギギギ
「な〜んでこう纏まらないかな
そりゃガンマンだってタコだらけになるほど撃ちまくって…ぶちぶち…
一朝一夕でできないのは重々承知だけど、もうちょっと纏められないものか…ぶちぶち…」
一人グチりながら装填する
ギギギぃ