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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 124

「ぅわああああ〜!!」
発射装置に掛けた指に力がこもる。落ちる寸前に無意識にツェットの瞼は堅く閉じた。
推進剤が点火し弾が飛び出す衝撃の割にどこか気まで持って行かれるような抜ける音。
慌てて目を開き硝煙の幕の中なら自分が撃った弾の行方を探る。
[あ〜あ]
今まで見守っていたハンターたちの心が一つになった。
ツェットの撃つ寸前にぶっぱなっシャーはアクセルターンをして接近戦で撹乱するハンターを薙ぎ払おうとした。
つまり狙いが大きくずれたのだ。
目を瞑ったツェットの弾は1m左を過ぎようとした。
呆然とするツェット。
(ま、初めてならこんなものか。)
ノエル達は攻撃準備にかかろうとした。
ポキュッ
ぶっぱなっシャーの脇を過ぎた弾が鋭角に進路を変え、ぶっぱなっシャーに突っ込んでいった。
それを見ていた全ての人の心が一つになる。
[んな馬鹿な…]
撃った本人のツェットにも信じられなかった。
「弾の欠陥じゃ説明できないわよ」
外れたはずの弾にコンテナを打ち抜かれ、カチカチ山の狸よろしくコンテナから煙を上げて走り回るクルマに注意する中、岩山の頂上から見下ろすアンドロイドの影に誰も気を止めなかった。
やがて炎にまみれた破片を撒き散らし最後の一台が爆散した。
「さあ!掃討戦だ!戦車依存症は援護に徹しろ。肉体派はとっとと続け!!」
黒騎士のとっつぁんは西部劇の突撃シーンのように拳銃を数発空に向かって撃つと正面切って飛び出していった。
殆どがブレード達の遊撃につぶされていたが、最後の消化不良のハンター達の鬱憤を晴らさせるためにあえて突撃をかけた。
実質ゼン教団は敗走を始めていた。
ECMが解除される頃には黒騎士のとっつぁん率いるハンター軍団も、教団戦車の砲撃不能な位置まで前進。
エンジンや足周りに次々と対戦車火器を叩き込む。
「逃げるな不信心者どもっ!神罰が下るぞっ!!」
アンテナの付いた73式APC…如何にも指揮車でござい、とばかり『考える泉ゼン』をモチーフにした目玉マークの団旗が掲げられている。
教団幹部らしき男は車上のリモコン機銃を撃ちまくり、勝手に後退を始める下っ端信者に牽制射撃を加えていた。

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