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METAL・MAX―新たな軌跡―
官能リレー小説 - 二次創作

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METAL・MAX―新たな軌跡― 103

センサーを最大にして監視していアンドロイド達が微動だにしなくても油断は禁物
それを欺く手段なら探せばいくらでもあるのだろうから
枯れ草の固まりが転がる度に構えた銃を向けるツェット
緊張で渇く喉に何度唾を飲み込んだか分からない
微かに届く喘ぎ声を風の声だとノエルは誤魔化すが、ツェットには土地に沁み込んだ“何か”の声に思えて背筋に寒いものを感じた
「ツェット君、交代」
「は!はいっ!」
ノエルの声に驚き飛び上がりかける
ツェットの退いた窓から外を見る
朽ちかけた煙突からアンドロイドが警戒しているのが見えた
視線を移そうとした瞬間にそれはおこった
アンドロイドの口から上が消えるように吹き飛んだ
ぱこぉ……ぉ
  ぱこぉ…
    パコォ…
      パコォ…
吹き消された頭に引かれるようにアンドロイドの上体が後ろに傾き、煙突から逆さまに落ちる
センサーの類を内臓し、尚、生身の人間より優れた視力を持ち、且つ頑丈な体のアンドロイドが頭を吹き飛ばされた
そして、標的への着弾してからの銃声
つまり、対戦車ライフルなどの貫通力の高い武器でセンサーの範囲外からの高精密狙撃だ
辺りから乱射音が響き渡る
敵襲だが敵の姿は確認していない
パニックによるメクラ撃ちがあちこで始まった
有線通信機が着信を告げるランプを点滅させる
上げていない受話器からは「撃ち方やめ!」の声が漏れる
かなり大声で怒鳴ってるようだがだるも応答していない
しゅしゅしゅしゅしゅしゅ…
ずどぉっ!!
無闇に弾をばら撒いている窓にロケット弾が飛び込み、爆発する
いくら上手に隠れていても、盛大に撃ちまくればフラッシュマズルは日中遠目でも分かりやすい
そこを狙い撃ちされていく
ツェットは警戒の緊張から解放されたとたんの攻撃に腰を抜かしかけていた
(かえって下手に反撃されなくて助かったかもしれない)
「ツェット君!しっかりしなさい!
戦車の所まで行くのよ!」
何か答えようとして口を動かすが、舌も麻痺したらしく「アウアウ」と判読不明な声を出す
「腰が抜けてるなら好都合ね。そのまま這って行くのよ。頭をあげたら駄目だからね」

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