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セーラー服と歩兵銃
官能リレー小説 - 戦争

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セーラー服と歩兵銃 4

「馬鹿野郎!お前達が適う相手じゃない!逃げるんだ!」
だが少女達は全く聞く耳を持たない。
大きな危機を前にして
これを何とか出来るのは自分達しかいないんだ!やってやるんだ!
という風に思っているのだろう。
若者(特に思春期)に特有の症状で直しようがない。
「カトウ三佐!どうしましょう!?」
「放っとく訳にはいかんだろう…クソォッ!!」

…案の定、少女達は全く戦力にならなかった。
初めての実戦で銃もまともに扱えず、容赦ない敵の砲火の前に次々と倒れていく。

ズドオォォォンッ!!!!

ダダダダダダダダダ…ッ!!!!

「ぎゃあぁぁーっ!!?」
「ひいぃぃっ!!?右手がぁ!!私の右手がぁー!!?」
「お母さぁん!!お母さぁーん!!」
「アキちゃん!ミカちゃん!起きてぇ!!目を開けてよぉー!!イヤアァー!!?」
たちまち惨状が繰り広げられた。
正規兵も少女達を守りながらでは存分に戦えず、余計に犠牲を増やした。
「カトウ三佐ぁ!!このままでは本当に全滅ですぅー!!」
片目をやられたハヤマ一尉が傷口を手で押さえながら叫んだ。
彼女の美しい顔は血まみれで、指の隙間から片方の眼球がブラブラと垂れ下がっている。
カトウは叫んだ。
「退却ぅー!!退却だぁ!!退却せよぉー!!」
「…退却!?」
「退却だって!!」
「みんなぁ!!退却よぉー!!」
「早く逃げましょう!」
あれほど勇ましかった少女達は“退却”と聞いた途端、蜘蛛の子を散らすように真っ先に逃げていく。
「手の開いている者は負傷者を…ってコラーッ!!!自分の銃くらい持って逃げやがれ馬鹿野郎おぉぉーっ!!!!」
「ちょっと!あんた達!クラスメートを見捨てて逃げるなんて何考えてるのよー!?」
逃げる少女達の背に向かって、あのリーダー格の少女が叫ぶ。
彼女は傷を負った同級生を背中に負ぶっていた。
ほう、一人くらいは骨のあるヤツがいたか…とカトウは思った。
ただ彼女が負ぶっている少女は首から上が無かったのだが…。


カトウの部隊は海岸の陣地を放棄して後方の森林地帯に退いた。
C国軍は深追いは危険と考えたのか、追撃はして来なかった。
「カトウ三佐、本日の戦闘で我々は兵力の約半分を失いました…」
片目を眼帯で覆ったハヤマ一尉が報告する。
彼女は衛生兵から傷の手当てを受けると、すぐに任務に復帰した。
「クソッ!あいつらさえ来なければ……いや、よそう。彼女達も半数以上やられたんだったな。一尉、君は後方へ下がれ。その傷では戦闘は難しいだろう」
「いえ、私は大丈夫です!まだ戦えます!どうかお供させてください!」
「そうか…解った!だが無理はするな」
「はっ!」
士官は少ないので正直ありがたい。

一方、海岸部を占拠し橋頭堡を築いたC国軍は、更に内陸部へと侵攻すべく準備を始めていた。

「カトウ三佐!!勝手に陣地を捨てて後退するとは一体どういうつもりだ!?誰が退却の許可を与えた!?」
後方の連隊司令部ではホンダ一佐が真っ赤になって怒っていた。


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