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セーラー服と歩兵銃
官能リレー小説 - 戦争

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セーラー服と歩兵銃 1

205X年、J国とC人民共和国との間に戦争が勃発した。南方洋上の岩礁地帯の領有権を巡って双方から派遣されていた艦隊同士が些細な事から戦闘状態となり、そのまま宣戦布告…。先に戦端を開いたのがどちら側であったかは定かではない。戦争が始まってしまえばそんな事は大した問題ではなかった。
この数年ほど前にJ国国防軍の参謀本部が対C国を想定して行ったコンピューター上でのシミュレーションでは、僅か数時間で国防軍がC国人民解放軍を壊滅状態に追い込んでいた。
だが実戦は全く違った。技術力・機動力には優るが実戦経験が全く無く、加えて物資・弾薬の備蓄も少ないJ国軍は、圧倒的物量を誇るC国軍の人海戦術の前に連戦連敗。何と僅か一ヶ月余りで海軍・空軍は事実上壊滅し、制海権と制空権を完全に奪われてしまった。
そしてC国軍はJ国本土への上陸作戦を決行、こうして110年前の世界大戦でも行われなかった『本土決戦』がついに始まったのである。



ここはC国軍の上陸予定地の一つとなった海岸である。
「見てくださいカトウ三佐、海が全部敵の艦艇で埋まっています。正直あれを食い止めるなんて不可能…」
「それを言うなハヤマ一尉。俺だって無謀だと思うよ。海岸に部隊を展開させて水際で敵の上陸を防ぐなんてさ。一度上陸させてからゲリラ戦で叩いた方が良いに決まってる…。でも上のお偉いさん方が『みすみす敵の上陸を許すなど言語道断!』って押し切っちゃったんだから俺達下っ端は黙って従うしかないんだよ…」
そう言うと国防軍三佐(少佐)カトウ・ハヤト(29)は溜め息をついた。この海岸の防衛を命じられた部隊の中では指揮系統の割と上の方に属している。
事前に得た情報によると、この地点に差し向けられた敵の上陸部隊の数はおよそ10万。一方、我が方はその一割の1万にも満たない。このままでは大敗は必至だ。ちなみに撤退は許されていない。「死守せよ」との命が下されている。上のヤツらは一体何を考えているのだろうか…。カトウは思う。おそらく何も考えていないのだろう。上陸時点で少しでも敵の数を減らせれば儲けもの…くらいにしか思っていないに違い無い。ここから何百キロも離れた首都の地下総司令部から指示を飛ばしている司令官達にとっては我々など液晶パネルの地図上に表示された一つの光点に過ぎないのだ。
「私達は捨て石という訳ですね…」
カトウの部下の女性士官、国防軍一尉(大尉)ハヤマ・ナオミ(27)がつぶやいた。美人だが真面目でガードの固い女だ。噂では処女らしい。もったいない。死ぬ前に一度で良いから抱いてみたかったな…と迷彩服に包まれた彼女の公称Gカップの巨乳を横目で眺めながらハヤトは思った。

「敵ミサイル群、来まぁす!!!」
「伏せろぉー!!!」
そんな考えを吹き飛ばすかのように、悲鳴に似た兵士達の叫び声が辺りの空気を引き裂いた。次の瞬間

ズドドドドドオォ―――――ンッ!!!!

と激しい爆音と振動が辺りに響き渡った。敵艦隊が一斉射撃を開始したのだ。ミサイルや砲弾が雨のように降り注ぐ。
「撃てぇ!!!撃ち返せぇー!!」
こちら側も黙ってはいない。ただちに地対艦ミサイル、自走砲、戦車、野砲、山砲などで応戦を開始。古来、艦船と陸上陣地で撃ち合えば、安定した陸上の方が有利と相場が決まっている。
だが、熱源探知機能付きのミサイル同士では、その法則はあまり当てはまらなかった。双方のミサイルは正確に艦艇や車両に命中して爆発した。となると単純に数の多い方が有利に決まっている。僅か数分でミサイルランチャー車両とその他の大砲類は全て潰された。

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