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兵隊制度
官能リレー小説 - 戦争

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兵隊制度 11

いくら新生物との戦争中とは言え、世論まで敵に回すようなことはできないのだ。

「とにかく今は何としてもあの化け物たちをすべて滅ぼさねばならない。
 あの爆発で死なないような化け物が我々に扱えるとも思えないし、他国にサンプルが渡ればどんな脅威が生まれるかわかったものではないからな。
 寄宿舎学園を攻撃する部隊の手筈は?」
「は、現在選りすぐった50名ほどの1個小隊を準備中です。
 また兵士以外にも施設から逃亡していた研究職員を数名確保できましたので、彼らからも情報を収集しております」
「急げよ。この危機的状況を理解できないバカはどこの世界にでもいるものだ。
 これ以上事態がややこしくなる前にすべてのカタをつけろ」

まさかさっさとカタをつける方法が何もしないことだとは予想だにせず。
事態は少々やっかいな局面を迎えつつあった。
それからおよそ1カ月の間、人間とヴァルファクターはにらみ合いを続けながらも来たるべき時に向けて戦力の充実を図った。
もっとも人間勢力の場合は戦力の充実ではなく、足並みをそろえることに奔走していたと言うのが正しい表現だろう。
人間の世界は1枚岩ではない。
ヴァルファクターの恐ろしさを知り、戦おうとする国やどさくさに紛れて他国の技術やヴァルファクターを手に入れようとする国。
新たな脅威の存在を理解せずに静観を決め込む国など、その反応は様々だった。
しかしいくら戦う準備が整っていないとは言え、何もしていないわけではない。
人間側にあってヴァルファクター側にないもの。
それは知恵とそれによって育まれてきた技術である。
彼らは人工衛星や航空写真などでヴァルファクターの様子を24時間体制でチェックしていた。
ヴァルファクターの巣と化した国立寄宿舎学園では、すでにルクス以外のオスはいない。
勤務していた男性教師・用務員・警備員はみな連中の胃袋を満たすエサとなって消えた。
ヴァルファクターとなった男子生徒も交尾のし過ぎで性器がもげ、みな女性化してしまった。
そして今はルクスの有り余るエネルギーで繁殖するべく、ヴァルファクター総出で連日連夜の乱交パーティを続けていた。
その様子を人工衛星のカメラ越しに覗いていた兵士は、それを見てため息をつかずにはいられなかった。

「やれやれ。ま〜だサカってやがるよ、この化け物ども。
 まったく他にすることはないのかね。これでもう1カ月近くヤリ続けてるぜ?」
「それも不眠不休で、な。
 まったくうらやましい限りだな。
 あのバイタリティであれほどの美女を毎日のように好き勝手にできるんだから」
「そぉかぁ?オレは逆だな。見ろよ、あの化け物の顔。
 モデル顔負けの顔とプロポーションを持った女たちをはべらしてんのに、あの化け物、ニコリともしねえんだぜ?
 ありゃきっと連日連夜相手にしすぎて疲れちまったのさ。
 あんなボロボロになるまで腰振らなきゃならないなんて、俺ぁごめんだね」
「HAHAHA、そりゃ確かに・・・ん?何だ?化け物のボス様の様子が何だかおかしいぞ?」

『GUUUU・・・GURUAAAAAAA!!!!』

もはや人の声すら忘れたかのようにルクスが天に向かって吠える。
その声は兵士たちの見ている衛星にまで聞こえるはずはないのだが、あまりの迫力に間近で聞いているかのような錯覚を覚える。
そんな中、ルクスの身体に変化が起きる。
背中が裂けてそこから血にまみれた、もう1対の黒い翼が生える。
腰のあたりからは太くて長い、骨でできたヘビのようなシッポが生え。
全身のいたるところから血を噴き出させながら筋肉が膨張していく。
手足の爪は今まで以上に硬く鋭く伸び。口からは鋭い牙をのぞかせる。
それに合わせて髪の毛も伸び、化け物だったルクスの外見はすっかり悪魔のように変わってしまった。

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