忘れ去られた村の儀式 10
「確かに雄輔に比べたら僕らはバカかもしれないけど、雄輔を甚振りたいっていうのは…真からの気持ちだぜぇ…、なあ徹?」
「ぅえ;?…」
突然の健成からの振りに、徹は焦ってしまう。
自分の性的な対象は健成だけだと思って疑わない徹にとって、雄輔が攻められる姿など考えてもいないことだったのだ。
「どうだ徹…?、普段は青年君子気取りの雄輔の啼く姿…興味ないか?」
ぅえ?…雄輔の啼く姿…?
確かに雄輔は誰からも好かれる好青年だ…
こうやって皆の前で男根を勃起させていること自体、信じられないことではある;…
「まぁ…雄輔が男にヤラれて喘ぐ姿なんて…この先絶対に見ることなんて出来ないだろうけど…」
「なっ!?何を言うんだお前まで!」
雄輔は徹のことを睨み付ける…
まさか徹までもがそんなことを言い出すとは思ってもいなかったのだ。
「俺を啼かす?…俺の喘ぐ姿?…お前ら何を言ってやがんだ…可愛い顔した健成ならまだしも、俺がそんな姿を見せる訳がないじゃないか!」
雄輔は拳を作りながら言い放つ…
「おいおい…ここで内輪揉めすることもあるまい…雄輔もそう向きになるでない。」
見兼ねた司祭が間に入る…
「で、でも司祭さま…こいつら可笑しなことばっか言い出すから…」
「なぁにぃ、それだけ雄輔に興味があるってことじゃよ…」
「興味…?、残念ながら俺は、啼くとか喘ぐとか…そんなことが出来る男じゃないですから…」
「ほぉ〜そこまで言うならその証拠、見せねばならんのぉお…、そうでなければ徹も健成も納得できんじゃろうて‥」
「うっ;….」
確かに司祭の言うことは最もかもしれなかった…
上げた拳の行き場を失った雄輔は、それに従うしかなさそうな状況に追い込まれる。
「わ、分かったよ……でもお前らの期待通りにはいかなくてもがっかりするなよ!」
そう啖呵を切ってはみたもののこの時雄輔は、これから自分が何をされるかも全く分かってはいなかった…
「ほう…それでは祭りの始りじゃ!…」
そう言うは司祭はポン!と手を叩く…
それが合図がごとく、周りの男たちが雄輔、徹…そして健成の身体を神輿のように抱え上げた…
「なっ!?何だって言うんだぁ!…」
両脚;両手をがっしりと屈強な男たちに拘束され、その仰向けになった身体を天高く掲げられてた3人は狼狽えずにはいられない…
「神宮に移動するんじゃ…お前たち無垢な身体の大切な儀式だ…妖気を鎮める為にも、神様にば奉納せん訳にはいかんでな…」
ま、まさか;…
三人は身体を必死によじり抵抗するが、屈強なる男たちにそれは敵わない…
高々と掲げられたまま、一行は村に向かい歩き始めた…
「ちょっと待ってくれよ!このまま行けば、村の人たちに見られちゃうじゃないかよ!…」
雄輔が下にいる司祭に向かい声を荒げる。
こんな恥ずかしい姿…知ってる人に見られる訳にはいかないと思うのは当然だった。
「何言ってるだ…これは祭だぞ…村人たちにも集まって貰わんで祭と言えんじゃろうて…」