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忘れ去られた村の儀式
官能リレー小説 - 同性愛♂

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忘れ去られた村の儀式 1

巨大な力で無理矢理切り離されたみたいに孤立した村があった。
その名は火ト影ノ村。
いかにも禍々しい不吉な名前だが、いつの間にか決まっていた名称なので誰ひとり疑問に思う者はいなかった。
そんな奇妙な村に大きな動きが見られた。
「祭りを開始しろと?」
大人の驚いた声が洞窟内に響く。
「100年ぶり、て事になるのだろうか…」

それから数日が過ぎた。
村の少年全員が村の外れに集められた。全員と言ってもたったの3人なのだが。
少年といっても、三人とも普段は野山を駆け回って遊んでいるが故に、その身体はかなり出来上がっていた。
身体だけ見れば、少年というよりも青年といった方がしっくりきそうだ…
とは言え、無毛に近い伸びやかな脚、髭などとは縁のなさそうな滑らかな肌は確かに少年のものだ。

その“少年と青年の狭間”…
“子供から大人に変わる最も輝かしい時”…にいるのがこの三人だった…

その精通を迎えたばかりであろう少年達に祭司の男が伝える。
「祭りがまた行われることとなった」
その言葉に三人は先程の大人と同じような反応を見せた。
「それは…相当昔に数度あった、とだけ言われているあの祭り?」
そう聞き返したのは雄輔。
三人の中でも1番長身な、リーダー各を取る少年が雄輔だ。

「そんな祭がこの村であったのかよ?…ちっとも知らなかったぜ…」
外人がとるポーズのように、両手で空気を持ち上げるようにな仕草を取ったのは健成(ケンセイ)だ。
黒目がちな愛くるしい顔を持った健成は、誰から見ても同じ歳の雄輔よりも年下に見える。

祭司の男が言う。
「知らないのも無理はない。相当昔に数度あってそれっきりだ」
「そんな祭りを今更になってなぜ?」
雄輔が問う。
「わからんな。山の妖怪になにか動きがあったとか噂されてるが、それがどういう事情を意味しているのか…」

この隔絶された村では妖怪の存在が普通に信じられていた。実際に遭遇した人は殆ど居ないのだが。

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