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LEON SAGA(レオン・サーガ)
官能リレー小説 - 同性愛♂

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LEON SAGA(レオン・サーガ) 8

魔物の少女は姿を触手の塊に戻したらしく、黒い流線型の塊が海の中を進んでいくのが見えた。
強制的に絞られてふらふらの4人と大きく変容したレオンだけが残された。
状況が状況だけに誰も声を出さなかった。どこから話せばいいのか、全く整理が出来ない。

「これは・・・どういうことなの?」
不意にレオンの背後から声がした。
「カレンさん・・・」
困惑顔で、彼を見つめるカレン。
その頃には、レオンの変身は解けてゆき、人型に戻りつつあった。すでに膝から上は人間の姿に戻っており、「レオン・・・なの?」と問いかけてくる。
近くにはアロー達4人が裸でふらふらになっていて、カレンからすれば異様な雰囲気だ。
「ああ、俺だよ。」
レオンはカレンに優しい微笑みを浮かべて答えた。
「レオン・・・・」
ほっとした表情を浮かべて、カレンはようやく安堵のため息をついたが、慌てて両手で顔を覆う。
「きゃっ!」
レオンが全裸であることにようやく気付いたのだ。
「俺は服を着るから、村の人たちを呼んでくれないか。アロー達が大変なんだ。」
「え、ええ!」
ほほを赤らめたまま、カレンは村へと駆け出して行った。

カレンが村人に知らせた。村人たちは衰弱した四人を連れ帰ってきた。レオンはその場から離れて自宅で目覚めた力について、一人で考えていた。
自分は何者なのか。

カレンは騒ぎのあった夜、自宅の寝室で考えこんでいた。
レオンが振り返った時に、今まで見たことがない怯えたような感じがした。
すぐにいつもの穏やかで優しいレオンに戻ったけれど、あの一瞬だけは、泣き出しそうなぐらいさびしげで、不安そうに見えたのだった。
何があったかはよくわからないが、レオンにとって何かショックなことがあったにちがいない。
レオンは誰かに相談したり、甘えたりはしない。そんな気がする
親のこと、友達のこと、思い出。
レオンは記憶を失っている。
もし、自分がそうだったらとカレンは思う。
レオンは誰かに頼る人がいないということだ。
(たしかに年下だけど、一緒に考えることぐらい私だってもうできるのに……)
カレンはレオンが年下の自分に「カレンさん」と呼ぶのを少し気にしていた。
他の村の人たちが呼び捨てにしているのに、レオンはそうしない。
別に避けられたり嫌われているわけではないのに、カレンはさみしいと思うことがある。
「はぁ……もう寝よう」
カレンはため息をついてつぶやくと目を閉じた。
(今夜は、レオンと一緒にいる夢がみれますように。レオン、おやすみなさい)


その頃。心身ともに憔悴した状態で保護されたアローたちにある異変が起きようとしていた。
ベッドの上で安らかに眠っていたアローたちが突然、タイミングを計ったかのようにカッとその目を開けたのだ。
同時にその身体がバネのように跳ね、かけられていた毛布が床に落ちる。
ビクンビクンと陸に上げられた魚のように、ベッドの上で跳ねるアローたち4人の身体。
時間にしてわずか1分。4人の痙攣がようやく収まったかと思われたその時、それは起こった。
4人の身体がベキバキと不吉な音を立てながら、膨張と収縮を繰り返し始めたのだ。
手足のみならず首や背骨が曲がってはいけない方向にへし折れ、またもとの位置に戻る。
そして今度は関節の可動域を超えて身体が曲がり、再び元に戻るを繰り返す。
あまりにも強引で劇的な変化の連続に、4人の顔や身体の形もまた大きく変化していく。
どのくらいそうしていただろう。

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