PiPi's World 投稿小説

LEON SAGA(レオン・サーガ)
官能リレー小説 - 同性愛♂

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

LEON SAGA(レオン・サーガ) 1

・・・その昔、この世界の全ての種族を巻き込んで行われた大きな戦いがあった。それはこの世界「ネオ・アース」の創造主であり支配者でもある神々に対して、後に魔族と呼ばれる種族が中心となって反旗を翻した事に始まった戦いであった。
その戦いは後の世の人々には「聖邪大戦」と呼ばれた。大戦は数十年に渡って続き、多くの命が失われ、世界中が荒廃したが、最終的な勝利を収めたのは神々を信奉し、その加護を受けた人間達を中心とした勢力だった。
人間達は神々の加護を受けて勝利を勝ち取った自分達を「聖なるもの」、神々に弓を引いて敗れた者達を「邪悪なるもの」と呼び、両者は後々の世まで相容れない存在となっていくのであった・・・。


聖邪大戦から数百年・・・・・・大戦の記憶を知る者達も既に亡く、遠い昔の伝説と化していた時代。

ある田舎の村に一人の青年が暮らしていた。彼の名はレオン。歳は17〜18くらい。美男子・・・というほどのものではないが、それなりに整った顔立ちに闇のような漆黒の瞳と髪を持っていた。彼は半年ほど前にフラリと村にやって来て、そのまま住み着いてしまったのだ。彼は「自分の名前以外の記憶を無くしてしまった」と言って、村人達に過去を語らなかった。
村人達はそんなレオンを初めは警戒していたが、彼が働き者で真面目で気の優しい青年だという事が分かると、すぐに打ち解けて村の一員として迎え入れた。

「レオン〜!」
「やあ!おはようカレンさん」
村外れの一軒家・・・ここは元々壊れかけた空き家だったものを、レオンのために村人達が直してくれたものだ。
庭先で斧を持って薪割りをしていたレオンの元に16歳くらいの可愛らしい少女が駆け寄って来た。
彼女は同じ村の娘でカレンと言う。
「どうしたの?」
「村長さんが呼んでたわ。話があるって」
「そうか、何だろうな?」
「村の男みんなに声を掛けてたわ。そろそろ台風の季節だからね。堤防の工事の事じゃないかしら?」
「そうか。わざわざ呼びに来てくれてありがとう。さっそく村長さんの家に行ってみるよ」
「待って!私も村長さん家に用事があるの。一緒に行きましょうよ」
カレンはほんのりと頬を赤らめながらレオンに言った。彼女はレオンに気があるようだ。そしてレオンも満更ではなかった。
「うん、じゃあ行こうか」
二人は連れ立って村長の家に向かった。


「ねえ、レオンは自分の事は名前以外何も覚えてないの?」
村長の家に向かう途中、カレンはふとレオンに尋ねた。
「あ・・・ああ、全然思い出せないんだ・・・」
それに対してレオンは一瞬焦ったように答える。実は彼は自分の過去を語るのが嫌だったので、記憶を無くしたと嘘をついていたのだ。それを見透かされたのではないかと思って焦ったのだった。
「だったらレオン、もうこの村で一生暮らせば良いじゃない。私はレオンにずっとここにいて欲しいわ」
「カレンさん・・・」
レオンは思った。
(そうだ。ここでなら・・・今度こそ普通に幸せに暮らして行けるかも・・・)

二人が村長の家に着くと既に村の男達が集まっていた。
「何だ何だ〜?レオンとカレン、二人して仲良さそうに〜」
「ぃよ!ご両人」
「カレンちゃんもそろそろお嫁に行っても良い歳だしねぇ〜」
男達はふざけて二人をはやし立てる。
「ちょ・・・も〜!からかわないでよ〜!」
「あはは・・・」
カレンは真っ赤になって怒り、レオンも恥ずかしそうに頬を染めて照れ笑いした。

そんなレオン達を遠巻きに見ながらブツブツとつぶやいている連中がいた。
「チェ・・・・レオンの野郎、気に入らねえな。流れ者のクセに調子に乗りやがって・・・」
「記憶を無くしてるってのも怪しいもんだぜ」
「もしかしてお尋ね者か何かなんじゃねえのか?」
それは村の若者達のリーダー格、村長の息子アローと彼の子分達だった。17歳になるアローはカレンに惚れており、将来は彼女を妻にしようと密かに狙っていた。だが、そこにフラッと現れて彼女の心を奪って行ったのがレオンだったのだ(もちろんレオンにそんな気は無かった)。

SNSでこの小説を紹介

同性愛♂の他のリレー小説

こちらから小説を探す