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方陣の忍者
官能リレー小説 - 同性愛♂

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方陣の忍者 9


縁の下に潜り込み、はあはあと熱い息を吐く…
離れに時慧はいなかったという自分の見解の甘さを思い知る…
畜生…
少年は濡れた股間を握り締めながら心中で毒つく…
やはりこの屋敷は常識通りではなかったのだ。
見張りがいない時点でそれに気着くべきだったと、後悔の念に苛まれる。
ならば時慧はどこに?
男たちの集まる祭壇にでも拘束されているとでもいうのか?
まさか…?
信じられないと思いながらも、少年の頭の中では…呪文を唱える大勢の男たちの前に縛り上げられた、時慧の哀れな姿が浮かんできた。

早速呪文が聞こえてきた方へと足を向ける。庭のある方角だった、よく考えてみれば庭には簡素な台座のような物があった様な気もしてくる。
あまりにも質素な造りだったので気にも留めていなかったが、怪しげな呪文が聞こえた今となっては無視できない設備だ。
もはや警備は気にして居られなかった。少年はあえて最短距離を選んで、庭を目指す。
やはり庭の脇、高床式の廊下の下に台座のような箱が置かれている。
何だあれは?…
手入れの行届いた庭園にはあまりにも相応しくは無い箱…どうしてここに置かれているのか?…
敷かれた玉石を鳴らさないよう、その箱に近づく…
近くに寄ると、それは人一人が余裕を持って入れそうな大きさだ。
少年は恐る恐るその箱を開口する…
奥深の底の方に、見覚えの濃紺の忍び服…
副頭首の印である紋様が襟元に縫い込まれていた。
兄じゃ…
時慧がここに入れられていてことは間違いなかった。
この箱に入れられ、呪文唱える祭壇まで運ばれて来たのだろう…
忍び服の下に丸め置かれた白布…少年は手に取る。
どこか懐かしい匂い漂うそれは、確かに時慧の褌だった…

褌までも脱がされたのか…、恐ろしくなりながらもその布を股間に押し付けてしまう。
そんな事をしている間にも儀式は進んでいる。遠くでかすかに聞こえる呪文の口調は変わってきているようだった。
兄じゃの褌を自らの褌に押し込めつつ、その呪文の根源の方を見ると篝火の様な物がいくつか確認出来た。
その橙色の灯りを受け、光り輝く物体…
ん?…
初め、それが何かは分からなかった…
目を懲らし、もう一度凝視し…少年は驚愕した…
猪の面を着けてはいるが、天井より吊されているのは確かに人だった…
あれ程までに輝いて見えるのは、全身に油を塗り込まれているせいだろう…

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