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方陣の忍者
官能リレー小説 - 同性愛♂

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方陣の忍者 6

なんだか、取られるような気がする。
そんな嫌な予感がした。
実際、その予感はある程度は当たっていた。大好きな兄じゃはこの屋敷に捕らわれている。

不安な気持ちを抱えつつも、少年は探索を再開する。
次に入った部屋もやはり異様だった。
祭にでも使用するであろうか?…
猪を模した木製の仮面が起立正しく積み上げられていた。
何故に猪なんだ?…
少年は訝し気に仮面を見詰める…
ん?…
その床に落ちた一本の帯に目がいった。
濃紺なそれは、確かに我が流派が身につける帯に違い無かった…
誰かが僕より前にこの屋敷に侵入したのか?…
少年はその帯を手に取り、まじまじとそれを見入った。
少年にはこれが誰の物かすぐにわかった。副頭首の印である紋様があるからだ。
こんなところに兄じゃの物が落ちていると言う事に少年は慌てた。
冷静さを失い、思わず辺りを探るが血の臭いはしなかった。しかし当然それだけでは安心の材料にならない。
敵に捕まったのなら無事ですむわけがない。いくら優れた忍でも…。
潜入任務は救出に変わりつつあった。
早くしなければ手討ちにされる可能性は充分に考えられた。
もしやもう…?
不吉な思いが脳裏を駆け巡る…
しかし手にした時慧の帯がその思いを打ち消した。
帯が解かれたということは、衣服を剥がされたに違いない…
というこは、時慧の身体がここの誰かに何かしらの興味を抱かれたに違いなかった。
ならばまだ生きている筈…
少年は幾何かの望みを胸に、屋敷奥へと進んで行った…

奥に進むにつれ、なにか歌のような音が大きくなってくる。
よく聞き取れないが呪文という雰囲気があった。
少年の嫌な予感は倍増した。相手が異様すぎるからだ。
相手が異常なら捕まった者はなにをされるかわからない。
急ぎたいところだが、前方から足音がしたのでまたも近くの部屋に入る。

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