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方陣の忍者
官能リレー小説 - 同性愛♂

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方陣の忍者 4

倒れた忍者を取り囲む覆面に紫の褌の男達。褌には金の魔方陣が描かれている。
屋敷の中よりも山奥が似合いそうな彼等は気絶した忍者をどこかへと運ぶ。
ちょうど、どこかで鐘が鳴る。それは「あの子」とやらがこの屋敷に向かって行動を開始する合図だった。
………………………………
真新しい忍衣を纏い、少年は風のように走っていた。
初めての任務に気持ちは高揚し、その足取りは普段よりも軽かった。
何もかもが快調だった。
問題があるとすれば、副頭首である時慧から譲り受けた褌を、きつく締めつけ過ぎていることぐらいだった…
その時慧の姿が、門出の時に見え無かったのも気にはなった…
幼少の頃から兄貴のように慕ってきた時慧は、少年にとって正に理想の中の“漢”なのだ。

屋敷にはあっさりとたどり着いた。時慧の下見と代わりはない、早速やたらと高い塀を登ろうとする。
釘の打ち込まれた塀を見て少年は気づく。
「既に誰かが侵入した?」
打ち込まれた痕跡の新しさに少年は気味の悪いものを感じた。
この侵入で周囲の守りが固められているかもしれない…。
少年は塀を登る事を諦めた。
裏口に廻り、辺りを伺う…
正門同様、ここにも門番をする輩はいなかった。
どういうことだ?
これだけの屋敷を構えていながらに、余りにも無防備過ぎるこの状況に疑問を抱かずにはいられない…
これでははまるで自分が浸入することを知っていて、敢て門を大きく開いているかのようにすら思えてしまう。
罠か?…
そう思いながらもここで後戻りなどしたら、面倒をみてくれている時慧に迷惑が掛からないとも限らなかった。
煮え切れない思いを抱きながらも、震える手で木戸を開くしかなかった。

厳重な警戒で見つかればどうなるかわからない、よりかはマシだと思う。
しかしこれはいくらなんでも雰囲気がおかしすぎる。
頭首が任務をやりやすいように見回りを減らしたのだろうか?
ふと遠くに槍を構えた影が見えた。
それは近づいているように見えたので、近くの部屋に逃げ込む。

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