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方陣の忍者
官能リレー小説 - 同性愛♂

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方陣の忍者 3

だからこそ、この任務が気になって仕方がない。
今まで電双の言葉を信じ、行動してきた。だが、この任務はなにもかもが電双らしくないように思える。
副頭首の仮面を被って動く時慧にとって電双がおかしな任務を出す事は、自身の本性を隠してくれる物が根本から揺らぐ一大事だった。
老若男女、誰からも好感を抱かれるこの仮面を、時慧は剥がされる訳にはいかなった。
そんなことをされれば、自分のことを“兄じゃ”と慕ってくれている『あの子』が、どんなにか幻滅するであろうことは容易に想像はつく…
あの子にそんな“卑猥な男”と思われるぐらいなら、電双と対立しても構わないとすら思えてきてしまう…
(……?…な、なにを考えているんだ俺は…)
兄貴のように思ってきた電双に対して、こんな感情を抱いてしまったことに時慧は戸惑い…後悔の念を抱く…

そんな時、本当に仮面が現れた。
猪の頭部を模したであろう仮面が部屋の中央に山積みになっていたのだ。
どれも同じような造形をしており、どれか1つ無くなってもわからないように思えた。
「変装には使えそうだが、逆に目立つかもしれないな…」
とりあえず1つを持つ。仮面が足りない事で警戒が強まる可能性も考えたが、大丈夫だろう。
こんな物…何に使うんだ?…
時慧はそれをまじまじと眺めた。
軽木で出来たそれは、見た目よりもずっと軽かった。
これならば長時間着けていたとしても、苦になることも無いだろう…
やはり祭にでも使うのか?…
時慧はそう思いながら、その仮面を顔に宛がう…

「っ!……」
一瞬にして全身に痺れが走り、時慧はその場に崩れ落ちていた…

薄れいく意識の中で、複数の黒い影を感じた…

しまった…これは罠だったのか?…
時慧は自分の軽率なる行動を今更ながに後悔する…

心中に余りに多くの疑問が生じてしまい、取り返しのつかない失墜を起こしてしまったのだ…

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