方陣の忍者 18
紫褌の男達は胸の術のせいで動くことは出来なかった。
この隙に塀を越えてすぐに外に出たかったが、時慧をかついだ状態では無理だ。
まずは2人とも体勢をたてなおす必要があった。
とりあえず2人はあえて屋敷に入り、大広間らしき部屋に隠れる。
取り囲まれる危険がありかなり危険であったが、仕方ない。
少年はかついでいた時慧をおろし、紐をほどいた。時慧は自由になった両腕を慣らすように振り回した。
体をほぐす彼の股間はまだ硬く立ちあがっている…。少年も同様だった。
それを気にしているのか、時慧はそこを隠すようにして、少年に背を向ける。
「兄じゃ…そうなったのは兄じゃのせいじゃ無いのは分かっていますから…」
「お前を助ける為に忍んできたのに、こんな無様な姿を晒してしまって…面目ない…」
時慧は恥じるように頭を垂れた。
「そんなこと気にしないでください…。それよりも早く、此処から逃げ出さないと…」
「ああ、それは分かっているんだが…ここがこんな状態では俊敏には動くことは不可能だ…」
時慧は俯いたまま、衰えることを忘れてしまったがの如く聳え勃ったままの自身の姿を怨めしくもあった。
しかし少年は真逆に思えていた。時慧の発情した姿に雄々しいものを感じていたのだ。
正直、もっと見ていたいとすら思っている。
だがこんな状況でそんな事は言っていられない。うかつに口に出そうものなら時慧を傷つける事も考えられた。
「お前だけでも…早くここから逃げ出すんだ…」
時慧は少年を諭すように言う…
「あ…それは…」
「俺に遠慮などいらないぞ…」
「ち、違うんです…そうじゃなくて…」
「ん?どうしたって言うんだ?…」
「実は自分も…兄じゃと同じ状態で…」
少年は自分の股間に時慧の視線が注がれるのが分かった…
滅茶苦茶恥ずかしい筈なのに、その肉竿は悦んでいるかの如くビクンと律動してしまう…