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霧に包まれたコロシアム
官能リレー小説 - 同性愛♂

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霧に包まれたコロシアム 6

「うおっ!?………な、なんだ?」
羽交い締めにされたまま、なすすべなく石像の集団に花粉をこすり付けられていたアドルウスであったが、頭のなかから直接響く凛とした声音に顔をあげた。
『……わたしはゆえあって王宮を追われし、魔導王国ローゼンの皇子』
「……これが念話というものか。二日酔いの朝に店の親父に怒鳴られているようによく響くものだな?」
『戯れ言を言う元気があるなら聞いておくれ、孤島オキノの小国サルーの貴族の末裔、アドルウスよ』
わざとおどけたアドルウスを、皇子の静かな念話が打ち消した。


『時間が惜しい。……今からほんの一瞬だけ、その哀れな男たちの動きを封じるから、彼らをどうか傷付けず、そこにいる狂った老人を倒して欲しいのだ、戦士アドル』
かつて栄えた生まれ故郷での彼の愛称を呼ばれた瞬間、アドルウスの顔からふざけた空気が消えた。
「このように念話を操るほど魔導にたけているのなら、ご自分でなんとかできるのではないか?、皇子よ」
『…すまぬが、言葉を奪われたわたしでは、攻撃のための術を素早く詠唱することがかなわぬのだ。頼む……たすけておくれ、戦士アドル』
「…おう、どのみちあなたの提案に乗るほかに、俺もなすすべが見当たらん。さあ、まずこいつらをどうにかしてくれ」
アドルウスの太い唇が、不敵に微笑んだ。
念話の向こうで、見えぬはずの皇子の顔が、花のように微笑んだような気がした。
どこからともなく、よくわからない言語が響いた。
皇子の予告通り、アドルウスに腰を突き出していた石像の動きが止まる。

全身に雄の蜜と花粉を塗られていたおかげで石の輪からの脱出は容易だった。
わずかに空いた隙間をすり抜けるように突き進み、抜け出した。
老人に駆け寄りながらもアドルウスは迷う。彼は殺す程の悪人ではないのではと。
確かに傭兵逹を騙し花と戦わせたのは許せない、しかしロータスを救う目的ではある。
それに複雑な身分だ。公に出来ないのも仕方ない…。とりあえず殺しはせずに気絶させ、縛る事に決めた。
魔物なんかよりも危険だと考えて居ながら甘い判断だった。
皇子の肉体を愛撫しながらイチモツをギンギンにそそり立たせているだけの老人を斬り殺すのは忍びないと感じたのかもしれない。
その老人がやけどの様な傷のある顔をちらりとアドルウスに向けた。それだけだった。
アドルウスはその無防備な老人を剣の柄で気絶させようとした。しかしそれは乱入者によって止められた。

どこからか屈強な茶色いワーウルフが現れ、アドルウスを弾き飛ばしたのだ。
「まさか、魔物を呼びだしたのか!」
この世界では魔物を呼びだす事は禁じられている。そもそも成功例は非常に少なく、やろうと思っても出来ないと言った方が近い。
そこで疑問が浮かぶ、傭兵に頼らずこのワーウルフに他のモンスターを倒してもらえば良かったのではと…。
「もしやこの術を使ったのはこれが初めてでは?」
アドルウスの予想は当たった。
ワーウルフはアドルウスには目もやらず召喚主である老人に向かった。
流石にこれには驚いた様で、皇子から手が離れる。
「や、止めろ!敵はあいつだ!」
喚きながら暴れる老人をワーウルフは簡単にひねり倒した。
そして上に覆いかぶさって、屹立を一気に咥えこむ。
「おおおっ」
老人の唸り声が響く。ワーウルフは頭を上下させ始めた。その口の中にある物は舌に絡められ踊り狂う。

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