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霧に包まれたコロシアム
官能リレー小説 - 同性愛♂

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霧に包まれたコロシアム 4

アドルウスは剣の柄から手を離し、老人の語るいきさつに耳を傾けようと緊張を解いた、そのときだ。

彼の背後から、石像たちが一斉に襲いかかって来たのである。

食虫植物のあるじを失っても、本能的に侵入者を排除しようと言うことらしい。
不意を突かれ、筋骨逞しい石像たちに捕まってしまったアドルウスの視界のはしに、先ほどの老人が巨大な華のしとねによじ登る姿が映る。
「馬鹿め…そやつらはもはや元に戻りはすまい……ぎゃはは、おお、見目麗しき皇子よ……これでようやく救い出せる」
老人はまるで衣服を剥ぐかのように乱暴なしぐさで、少年を包む粘液を引き剥がし、好色と邪悪に満ちた顔をほころばせた。
「拉致してからもう半年以上も待たされたのだ!…これくらいの余禄はあってもよかろうッ!」
干物のような手が、少年の背中から小さな尻までを撫で下ろしていった。
拉致してきたとは…、この老人はいったいなにを考えているのか?
アドルウスは恐ろしくなってきた。
この暴走した雰囲気はとてもじゃないが、皇子とやらを心から尊敬している風には見えない。
邪教を信仰する狂信者、そうにしか見えなかったし実際そうであろう。
ここに魔物が居たのも全てこの老人が引き金なのかもしれない。
言い方からして皇子が呪われているのは魔物の仕業だろう。
だがアドルウスにはこの老人は先程の魔物よりも危険だと思えた。
その老人の指が皇子の尻に侵入する。
透明な粘液にまみれた艶やかな尻の谷間を、枯れ枝のような老人の指先がなぞってゆく。
びくん、と、華奢な皇子の全身に震えが走る。
ゆっくりと、眠っていた少年の蓮の花びらのようなまぶたが開く。
「ようやくお目覚めか、ローサリウス皇子…いや、ロータスよ」
老人は狂喜しながら目覚めたばかりの少年におおいかぶさってゆく。


細くしなやかな両手首を押さえ付けられ、身動きを封じられた皇子が美しい目に憎しみを込めてにらむのも構わず、まるで付着した粘液を舐め清めるかのように、少年の首筋から鎖骨へと舌先を這わせて行く。
「…ロータス、お前はワシのものだ……お前はワシのものだ」
うわごとのようにささやきながら、老人の干からびた唇が、ほのかに色づいた、小さなツボミのような乳首に吸い付いた時。

「◇☆¢∋♭Φ!!」

切なげに開いた皇子の唇から、耳障りな音が響き渡ったのだ。

「おうおう……かわいそうなロータス、我が愛しの蓮の華よ、父王の後妻となった王妃にうとまれ、淫花の呪いで言葉をうばわれた、哀れな皇子よ」
ふるえる乳先に舌をからめつつ、無抵抗な皇子の肢体にその痩せこけた身体を擦り寄せる。

「言葉を失い、王妃の連れ子に継承権をうばわれたおんみをあわれにおもい、幽閉されていた塔から救いだし、この闘技場に一夜の宿をとったものの、この地に住まう食人花にそなたをとらえられ…バカな傭兵どもを誘い出し続けて、半年…………しかし、これでようやく、ワシの願いが叶ったぞ」

乳首を離れた唇を脇腹へと滑らせる老人。

それでは、先ほどの金属同士をこするような雑音は、呪いを受けた皇子の「声」だったのか。
哀れな皇子の身の上を思いやる。

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