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無法学園
官能リレー小説 - 同性愛♂

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無法学園 75


隼人は松下の支持で制服に着替えさせられる。
対象者を誘き寄せる為には、これが最も有効的な服装なのだと彼は言った。
用意された下着も、ファストショップで購入できそうな、ごく普通のボクサーブリーフだった。
松下の視線を気にしながらも、隼人は素早くそれを足に通した。

「この学園の子たちは、小さいビキニスタイルに慣れているんだろうけど、対象者の好みはあくまでも"普通の少年"だからな・・
辻岡君も、くれぐれも普段のテクニックを見せないでくれよ。」

?・・普段のテクニック?

隼人は松下が何を言っているのか分からなかった。
それでもこの男は、自分が転校してきたばかりで、この学園で行なわれていることは全くの未経験なことを知らないのだけは分かった。

辻岡隼人はそのヤンチャそうな外見とは裏腹に、内面はいたって硬派だと言えた。
この茶褐色の髪だって、この役目に見合った少年を演じさせる為に、転校早々に教師たちに染め上げられたに過ぎなかった。
本来の隼人は、チャラチャラしたことを嫌う、真面目とも言える少年なのだ。
要するに隼人は、この学園では稀な17歳の今でも男も女も知らない、全くの無垢な少年だった。

それでも隼人とて健康な17歳の少年・・・性に興味が無い訳も無かった。
役目さえ果たすことができたなら、美波ママとやらの店で、童貞喪失が出来るかもしれない?・・と、淡い希望を抱いていた。

「辛い目に合っているんだろ?」
公務員にしては高級な車の中で、ハンドルを握る松下は言った・・

隼人は何と答えればいいか分からず押し黙ったままでいると、それを勘違いしたのか「元気出せ・・」と、運転席から腕を伸ばし、肩を揉んでくる・・
「この学園での出来事は悪夢だと割り切って、卒業までがんばれな・・」

松下が何を言っているのかは分かった。
転校してきて日は浅いとはいえ、周りを見れば誰に聞かずともそれは自ずから分かった。
自分とて、この役目さえ無かったら、もっと早くに会員とやらに身体を開かなければいけなかっただろう・・と思えた。
あくまでも"普通な少年"を装おわなけらばならないこの役目を担った少年たちは、この数週間前には会員と交わらなくていいシステムに隼人は救われたのだ。

車はゆっくりとオフィス街の側道に止まる…
「此処ですか?…」
隼人は運転席の松下の横顔を伺う。
「ああ、先に行ったバスの奴らに追いつきたいところだが、辻岡君には一働きしてもらおうと思ってな…」
松下は後部座席のアタッシュケースからリスト表を取り出す。

「神崎亮、36歳、妻子持ち、あの正面ビルの商社マンだ…」
「妻子持ちって…?その男、結婚してるんですか?」
「ああ、まだまだこの国は同性愛に対して偏見が大きいからな…
ゲイでありながら結婚せざるおえない男は、結構いるんだ…」
「それって、バイセクシャルってことですか?」
「まあそういう輩は大抵、女房を抱きながら頭の中では好みを男を必死で妄想しているそうだから、一概に両刀とは言えないかもしれないな..」


ゲイでありながら女と結婚?・・・
そんな神崎亮が取らざるおえなかった選択を、まだ17歳の隼人には分かる筈も無かった。
ただそんな趣向を自分は持ち合わせていないでよかったと、他人事のよう考えるだけだった。

「で、この神崎という男に何をすればいいんですか?」
「ああ、リストによれば夜な夜なジョギングに出ては、塾帰りの少年たちに痴漢行為を行なっている。」
「そこまで分かっているのに、なんで捕まえられないんですか?」
「年端もいかない少年であれば親や先生にでも相談するんだろうが..神崎の対象は17、8の高校生だからな・・」
確かに・・
この歳になって男に痴漢行為を受けたなど、笑い話しのネタにするしかないのは分かった。
もしそれが、身体を触られる以上に恥ずかしいことを強要させられとしたら、それは絶対に誰にも言えないことだと思えた。

「痴漢行為って・・それって身体を触るぐらいで済んではいないのでは?・・」
「ああ、被害者が口を閉ざしている以上憶測ではあるが・・下半身を晒らされるぐらいでは・・済んではいないだろうな・・」

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