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無法学園
官能リレー小説 - 同性愛♂

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無法学園 1

※官能リレー小説BBSにてスレッドをたてています。一度目を通されてください。※


ビルや人間で溢れかえる都市から車で一時間ほど。男は何かにとり憑かれたかのように黙々と車を運転していた。
建物は次第に無くなり広大な草原が広がり始める。 

大金を払って手に入れた情報。もしそれが本当ならば・・・。 不信感や期待感が入り混じった感情が襲う。

美しい自然に囲まれた敷地に見え始めたのは学校だった。いや、一目では学校とは気付かないかもしれない。
田舎の木造校舎のようなものを想像していた男は驚いた。大きな工場のように並んだ校舎は、高いコンクリートの塀でしっかりと囲まれていたのだ。 
「まるで監獄だな…」 
男は思わず呟いた。 

入り口を曲がって進む。正門もしっかりと閉ざされているようだ。近付くと警備員らしき男が声をかけてきた。 



「どちら様ですか?」
「今日18時に校長と会う予定の島田といいますが…」 
「ああ、はい。聞いています。免許証と指紋をお願いできますか?」 

男―島田は免許証を渡し、警備員に指紋を採らせた。
  
「照合が済むまでしばらくお待ちください。これより先は自動車の乗り入れは出来ませんので、そちらの駐車場に停めてきて下さい」 

警備員はそう言うと詰所へ戻った。島田は駐車場の空スペースに車を停め、再び正門へ近付く。 
期待や不安、緊張で手汗をかいている。先程までは半信半疑だったからこんなに緊張はしなかった。
しかし今、この正門の前に立つと心臓がだんだんと高鳴っていくのだ。 
あの話は嘘ではなかった…この門の向こうにはきっと別世界が待っている。 夢に包まれた世界が。

警備員が戻ってきた。今度は2人だ。 

「確かに島田さま確認が取れました。では、こちらの者が校長室へ案内致します。」 
「こちらへどうぞ」 

島田は軽く会釈をすると、もう1人の警備員に付いていく。正門が開けられ、ついにその場所へ足を踏み入れた。 

外からの眺め同様、広い敷地に大きな建物がたくさん並んでいる。その広さは小さなテーマパークほどだ。 
大きな校舎にまっすぐ繋がる道を歩いていくと隣には運動場が見えた。 
しっかり整備されたその場所では野球やサッカーなど部活動にせいをだす生徒達の姿があった。 

「「こんにちはーっ!!」」 

生徒たちは島田に気づくや否や大きな声で挨拶をしてきた。 
突然の挨拶に島田は戸惑いを隠せない。爽やかな部活動の挨拶をここで受けるなんて想像もしていなかったのだ。 

「あれは中等部の子たちですね。…どうかされました?」
 
警備員の質問に少し戸惑う島田。 

「あ、えぇ、いや…」 
「もっとドロドロしていると想像されてましたか?」 
「えっ」 

島田は図星を突かれ驚きを隠せなかった。 

「初めてここにいらした方は皆同じ様に思われるみたいでですね、彼らの爽やかな部分は驚かれます」
「は、はい…」 

クスクスと笑う警備員に戸惑いながらも島田は妙な興奮を覚えていた。あんな爽やかな子たちがまさか…。 

建物に入りすぐの場所に校長室はあった。島田を部屋に通すと警備員は出ていく。
そして初老のいかにもな男性が一人とサングラスのガタイのいい男が2人入ってきた。 まるでSP付きの大物だ。

「どうもこんにちは、私が校長をさせていただいております、高田と申します」 
「あ、はい、どうも…」 

「えー…このたびは我が[夢包学園(むほうがくえん)]にようこそおいで下さいました。
ご存知かとは思いますがうちは小中高一貫の男子校で、小等部から高等部まで…下は6歳から上は18歳までの男子を育成しております。
さまざまな部活動にも力を入れており、功績も多々残しております。」

その後校長の目が細くなり、暗く静かなトーンで話始めた。

「…それでですね」

島田の額に汗が滲む。威圧感、緊張。

「…どのようなご用件でしょう?」
「か、かっ…会員に…なりたく…。あ、あの、大熊さんという方からの紹介です…」

しばらく島田の目を見つめていた校長は笑顔を戻して話を続けた。

「ははは、いや、すみません。聞いておりますよ、大熊から。もう手付金も頂いているとのことで。ははは。」
「はは…」


生きた心地がしなかった島田は作り笑いを浮かべるのが精いっぱいだった。

「心配なさらず。喜んで会員承認いたしますよ。では早速ですが説明を始めましょうか。この学園の本当のお話を。」
「は、はい…」

「先ほども申しました通りわが学園は男子校なので生徒は全員男子です。教師もすべて男性で、この学園内には女は一人もおりません。
もちろん会員様も全員男性でございます。」

校長の声のトーンがまた低くなっていく。

「生徒は全員学園内の寮で生活しています。親や学園外の人間に会えるのは年に数回だけです。…というよりも…」
「…」
「家庭に事情のある子も多いので、親自体いないという子も居ます。」
「それは…家庭内暴力とか…ですか?」
「ですね。捨てられた子や両親の自殺、金で売られた、など様々ですが」
「えっ?」

「おっと、まぁ…会員様ですので裏事情まで暴露させていただきますがね。昨今は親の勝手な都合で子供を捨てるじゃないですか?
育てられないからと赤ん坊を平気で他人に預ける。そういった所と同じで男子は引き取ったりしております。」

校長の視線がまた突き刺さってきた。

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