無法学園 74
「けど残念。ポリ公とは遊べないからな〜。今回の俺たちの相手は小学1年のガキどもだよ」
「…わかっている。せいぜい楽しむとしよう」
「ポリ公の代わりにしてガンボリすんなよ?」
「そこまで子供ではないさ」
「どうだか、色事になると我を忘れることあっからね〜」
「それはお互い様だ」
いつものように駐車場に車を止め、警備員に認証を渡し地下へと降りる。
部屋に入ると6人の子が並んでいた。
中学・高校生の転校生が1学期の間何もなく過ごすことは奇跡といっていい。
その為中・高校生の夏休みデビューの値段は最低でも1000万台で推移するのだ。
しかし逆に精通を迎えていない小学1〜3年生は大幅に割引されるのだ。
だからこうして一度に6人も並べられるのだ。
地下に並べられた子達は皆思ったことは一緒だった。
『ついに自分の番が来た』である。
この無法学園では性に関しては驚く程開放的なので今現在裸でいることはそれほど問題ではなかった。
実際毎日のお風呂も寮から風呂場まで全裸で移動しているのだ。
慣れたものである。
しかし風呂場や廊下で見られるエッチな行動はやはり恥ずかしかった。
同い年の子が年上の子としてたりしてあとできいたら
「最初痛かったけど優しくしてくれたからこれからもする」という子もいれば
「もう絶対やだ。痛いだけだもん」と言って涙をにじませて力説する子もいた。
年上の子は
「もう少し大きくなって白いおしっこが出るようになったら誰でも気持ち良くなるさ」
と言っていたので積極的に行こうとしない自分たちがエッチなことをするのはまだ先だと思っていたのだ。
そんなまだ毛も生えていない少年たちの中で、1人股間に手を宛てがい顔を赤くする少年が暗がりの壁際に立っていた。
その赤面ぶりとは対照的に、髪は茶褐色に染め、小麦色の肌はいかにもヤンチャそうに見える。
「あれ?今日は小学1年のガキばかりじゃなかったのか?」
どう見ても小学生には見えない少年を見つけ、会員のオトコの心は踊った。
中学?・・いや高校生か?・・
「お前、間違えてんじゃないのか?今日はお安いガキんちょしか頼んじゃいないんだけどな・・」
オトコは少年に近寄り、値踏みするようにその全身を見やった。
「なこと知らねーよ、俺はここに来いって言われて来ただけだからな・・」
少年はオトコを睨みつけながら、ボソッと呟いた。
オトコはその眼光にドキリとした。
この世の中、総べてを恨んだいるような冷たい眼差し・・
それは松下聖司にどこか似ていた。
「お前、歳は幾つだ?・・」
自分の声が期待に震えているのが分かった。
それでもそんな自分を気づかれないように、黙ったままの少年に向かい声を低く落とす。
「こんな可愛い小1連中の中にいちゃ、毛が生えてるってだけで薄汚れて見えんだな・・」
技と挑発する言葉を吐き、少年を誘発する・・
その言葉に屈辱心を抱いたように更に少年は顔を赤らめた。
ふっ・・いい表情するじゃねーか・・
オトコの煩悩が刺激されたところで、それは無惨にもストップが掛かった。
「なんだ、こんなところにいたのかぁよ。随分探したんだぞぉ」
効き覚えのある声・・松下聖司だった・・
「会員さん、申し訳ない。この子は今からやって貰わなくちゃいけない勤めがあってな。」
「あ・・はい・・」
「お詫びに校長に言って、少年の数を増やさせますので・・さ、辻岡隼人(ツジオカ・ハヤト)行くぞ!」
「ま、こんなもんだよな・・」
オトコは松下聖司と辻岡隼人という少年の背中を見送りながら、ナウシカのクロトワのように、苦く笑うしかなかった。