無法学園 57
一輝の目は驚きと絶望で見開かれる。
「で、問題はそっからだ。明日から普通に授業や部活を受け生活できるか、もしくは地下へ送り込まれ更生するまでじっくり調教されるか…お前の態度次第ってことになる。」
橋田は少年の顔を自分に寄せる。
「どっちにしろお前はこれから先もずっと男に抱かれる生活だ。だったら上手く楽しく地上での生活をお勧めするがな。」
一輝の震えは止まらなかった。
「あ〜…それと、だ。一輝、俺の物になれ。そうすりゃ俺がずっと買ってやる。どうだ?ワケ分かんねぇ成金親父やキモい坊ちゃんとか、いろんな奴に回されなくて済むぜ?」
橋田にしては優しい口調だった。
一輝は震える声で、ゆっくりと囁く。
「か…帰して…ください…。も…、元の…がっこうに…」
「そりゃあできねえんだよ、一輝。お前はもう俺の…いや、この学園の生徒だからな。出られねぇよ。」
「そ…そんな…休みとかは…自由だって…」
「それはお前がしっかり更生して、学園に忠誠を誓ったらの話だ。」
「や…やだ…助けて…、ミホ…」
言い終わらないうちに橋田の平手打ちが炸裂した。
衝撃を受け、一輝は泣きそうな顔で目を瞑る。
「一輝、言ったよな?俺の物になれって?じめじめと女の事を考えやがって!」
橋田は更にもう一発平手打ちを入れると、一輝に覆いかぶさり、その平らな胸に口を這わせていった。
「いいだろう、俺しか考えられなくしてやる」
薄い少年の胸、そして乳首をチュウチュウと吸い上げ始めた。
「き…気持ち…わるい……」
一輝は力の限りに橋田の頭皮を握りしめると、それを引き剥がそうと懸命に暴れた。
しかし鍛え上げられた屈強な筋肉を持った橋田に一輝が叶う訳もなく、あっさりと手首を掴まれ、その手を万歳をするように高く上げられてしまう。
両腕を共に上げさせられ、橋田の左手が両手首を纏めて掴んで拘束する。
「くっ………」
一輝の両方の腋の下は完全に露にされる。
本来ならば同性の橋田に見られても恥ずかしいと思うはずが無いが、間近でじっくりと今の状況下で観察されれば話は違ってくる。
「少年特有の薄さだな・・・だけど今が食べ頃・・1年も経ったら賞味期限が切れちまうぜ。」
「見ンな・・・・・・この、変態・が・・!!」
「勇ましいな。まだ、俺には向かう気概を失わずか?・・それでこそ、俺が見込んだ少年だけどな。」
橋田は空いている右手で、一輝の左腋の下へと手を伸ばす。
毛先寸前で止めて軽く動かすと、静電気でも発生しているかのように毛先が軽く揺れた。
「や…めろ…………」
当然のことながら、他人にここまで腋の下をじっくり見られたことなどある訳も無かった。
くすぐったい感触が腋の下に広がり、同時に橋田の掌の汗ばみより熱気が伝わってくると堪らずに、一輝は橋田の顏に「ペッ!」と唾を吐きかけた。
それは一輝にとって精一杯の抵抗だった。
平手が飛んでくることは覚悟していた。それでもどんな形であろうが男とのこんな行為に抵抗せずにはいられなかったのだ。
しかし橋田の様子は違った。
ニヤっと厭らしく微笑むと、流れ落ちる涎に向かい長い舌を伸ばすと、それをベロッと舐め取った。
「美味じゃないか・・俺はお前から出されるどんな液だって、抵抗なくこの口に入れることはできるさ・・」
一輝は思ってもいなかった橋田の対応に驚きながらも、どこかその言葉に戸惑いを感じた。
ミホとのファーストキスの折り、一輝は唇に付着した彼女の唾液をそっと手の甲で拭ったことが思い出された。
好きだ、愛してる、と言っておきながら、一輝はその唾液に対して抵抗心を抱いたのだ。
この男は何なんだ?・・一輝には分からなかった。
見ず知らずの、しかも同性である自分の唾液を嬉しそうに舐め取る男の趣向が、一輝には理解できなかった。