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無法学園
官能リレー小説 - 同性愛♂

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無法学園 6

ドクドクと連打する心臓の高鳴りを感じながらも、俺は石灰で尻が汚れることも気にせず、飛び箱に腰を下ろす。

開け放たれたままの扉から、去って行く前田の後ろ姿を眺める。
広い背中、引き締まった臀部、伸びやかな脚・・・
年令はいっているものの、その躯体は見事なまでに男を発していた。

それは、男街では誰もの目を引くと思われ、ノーマルなゲイであれば、喜んでベッドに直行するだろうとも思えた。
ゲイ受けするゲイ・・・
そう言った意味では遠野という青年も含め、彼らは自分と似ているのかもしれないとも思えた。

そして彼らもまた、自分と同じように、満たされない欲望に苦悩する日々を経験した男だということは、二人が少年たちに向ける熱い眼差しで感じ取ることができた。

遠くに見えるグランド・・
ライン傍で手招きし、駆け寄って来た少年に耳打ちする前田・・
額の汗を拭いながら、不思議そうに首を傾げ、こちらに顔を向ける少年・・

「五十嵐・・・修・・・」

俺は思わず、少年の名を口にしていた。

その少年が仲間たちに何か告げた後、こちらへ走ってくるのが分かる。
ブルーとホワイトのユニフォームに身を包み、健康的に日焼けしているしなやかな腕、脚。整った顔。
ホームページ情報によれば、163cm53kg、あだ名は『いがちゃん』『いがっち』だとか。
8歳の時に両親が事故死しここへ入ってきたという。
普通の学校に行っていれば確実に女子にモテただろう。もしそうなっていたら今頃はもう女子とのセッ〇スを経験していたのだろうか?
精通はしているが、女とはもちろん男とも経験は無いということだ。
今まで他の客が買わなかったのが不思議でたまらない。

遠くからでもこんなに分かる五十嵐修の魅力。
この腕で抱いたとき、どんないい香りがするのだろう…。



長い長い時間に感じられた。そして倉庫の入り口に少年が現れる。

「っ、はぁ、はぁ…こ、こんにちはっ」
「ああ」
「サッカー部の五十嵐って言います、作業を手伝うように言われたので来ました!」

本当に素直そうでたまらない。

「ああ、よろしく頼む。じゃ、扉を閉めて、こっちの奥の方に来てくれるかな?」
「はいっ」

何の疑いもせずに修は扉を閉め、言われるがまま奥へと進んでいった。
外から鳴ったカチャリという微かな音に気付かずに。

ネットやポールなどごちゃごちゃと置かれている傍らマットが積まれており、それはまるでベッドのようだ。
いや、もしかしたらそういう風にセッティングをしてもらったのかもしれない。
そのスペースまで五十嵐を連れてきた島田は少年の方を振り返る。
そして舐めまわすように、品定めをするように上から下まで見回すのだった。

無言。緊張の空気。息を少し切らしている少年は肩をわずかに上下させながら不思議そうな顔をしていた。
沈黙に耐え切れなくなったのか、修が切り出す。

「あ、あの…手伝いって…」

間近で見る少年の肉体に我を忘れかけていた島田はハッとなり、そして呟いた。

「そうだな…手伝い・・・そうだ。おれの性欲を満たす手伝いをしてもらおうかな…」

良く聞き取れなかったのか、五十嵐修の表情は変わらない。


そして数秒後、やっと何を言われたのか理解したのだろう・・
意外そうに首を傾け、長い睫を上下させた。

「す、すみません。僕、下ネタ得意じゃなくて。」
照れたように頬を仄のかに赤らめ、鼻頭をポリッとかく。

この少年にとって、島田の発言などただの"冗談"、オヤジの"戯言"としか受取ってはいないようだ。
それは、ホームページの情報通りに、五十嵐修がこの学園で何が行なわれているのか、増しては男同士で何をするのかなど、何も分かっていないことの証明でもあった。

(よしよし・・)
島田は喜びを悟られないように、口を手で覆った。それでも口元はニヤリと上がっていた。

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