無法学園 19
昇は薄ぼんやりと意識が覚醒していった。
心地よい温風が肌を撫でる…
白衣の先生が側で何かをしている…
(あれ?いつもの校医さんと違う…)
そのふくよかな肉体は、見慣れたかっこいい校医さんではなかった…
「あの、新しい校医さんですか?」
僕が声を掛けると、その人は驚いたように顔を上げ、手に持った包帯で額の汗を拭いた。
(どうかしたのかな?)
僕は身を起こそうとしてその時始めて、自分が素っ裸で、手足を包帯で拘束されていることに気づいたんだ…
(なに?)
光沢を持った艶やかな前髪を揺らし、昇は首を傾げた。
そこに恐怖心は無かった。
この状況が飲み込めなかっただけなのだ。
どうしてこの人の前で、自分がちんち○を出しているのか?
どうしてこの人は僕のことを縛っているのか?
それ程に昇はウブで純粋だった。
精通を覚えたとはいえ、昇はSMの存在など知らなかった。
増して男同士での行為が存在するなどとは、夢にも思ってはいなかったのだ。
それでも、恥ずかしさは当然に込上げていた。
いくら校医の先生であろう人の前でも、ち○ち○を丸々と晒した状態なのだ。
これが数カ月前ならこんな恥ずかしくは無かったかもしれないと思った。
でも今の自分のち○ち○の周りには、淡くではあるが柔らかい毛が生え始めているのだ。
そんな毛が生え始めたのと同時に、他の人のちん○んも凄く気になり始めた。
自分のち○ちんは正常なんだろうか?
ちゃんと普通に勃っているんだろうか?
そんな恥ずかしい相談を校医の先生にならできると思ったんだ。
迂闊にも寝てしまったけど、この人はきっと校医の先生の変わりに僕の悩みを解消するために、こんなことをしているのだろうと僕は思ったんだ。
だから僕は普通に話しかけた。
「あ、あの。おはようございます」
話し掛けたら驚いたみたいだけど挨拶を返してくれた。
「すみません、なんで僕裸なんです?」
「君の体を隅々まで観察するためです」
「それじゃーなんで縛られているの?」
「これからする事で君が暴れないようにするためです」
童話のような会話を続けながらも、康夫は昇の眼を見ながら『ゴクッ』と、息を飲んだ。
潤んだ黒目は愛玩動物のように大きく、瞬きする度に睫毛は“ばさり”と音をたてそうな程に長かった。
昇はそんじゃそこいらのアイドルよりも数段に可愛かったのだ。
それもそのはず、昇は学園の裏評価では『特A』の少年だった。
その優れた容姿を見込んだ校長が、昇の父親を借金苦ヘと追い込み、その返済金を肩替わりする代償と称して、貰い受けたのが昇だったのだ。
その事実を昇は知らない。
そして会員の康夫とて、そんな事は知る由もなかった。
「先ずは毛を採取するな…」
康夫はそう言うと、股間全体にオイルをまぶし、メスを使って昇の陰毛を剃っていった…
「ぼ、僕のち○毛…何か変なんですか?」
昇はおずおずと声を上げる。
「ああ…普通はもっと硬いもんだ…こんなに柔らかい陰毛は珍しい…」
そう言いながら康夫は、その毛の一本一本をガーゼに取ると、大事そうにポケットに入れた。
言うまでもなく、今後のオカズだ…
ツルツルになった股間に目を細めながら、康夫は言う。
「それじゃ後ろも見てみようか…こんなのが後ろにも生えていたら大変だもんな…」
「は…い…」
昇は素直過ぎるほど素直に後ろを向くと、四つん這いの格好で尻を掲げた。